カテゴリ:ミステリー
本日ご紹介するミステリーは、海堂尊さんの「
螺鈿迷宮」です。 田口さん、白鳥さんシリーズと密接に関係する作品です。 ●あらすじ 東城医大のほど近にある桜宮病院。東城医大の医学生である天馬大吉はギャンブルに負けて、桜宮病院に行ったまま行方知れずになった人を探すために桜宮病院のボランティアとして働くことになった。そこには姫宮という看護師と、すみれと小百合の姉妹の医者がいた。 ●簡単な感想 抵抗むなしく厄介ごとを引き受けさせられる大吉は、田口さんの印象と重なりました。表面的には結構違いますが。 田口さんシリーズの方でも名前が良く出てくる桜宮病院が舞台になり、見知った面々も登場します。そちらのシリーズも読んでいるとより楽しめると思います。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧ください。 ニュースキャスターが亡くなったと思われる人のことをいうのなら副医院長などの役職名ではなく、妻や長女、次女という言い方をするだろうと思いました。 天馬さんが気が多すぎでした。葵に姫宮にすみれにと渡り歩いて結局、葉子に収まったかと思えばすみれに恋歌を唄うらしいですし、良くわかりません。すみれは亡くなってますし葉子ということなんでしょうけど。葵のことはもうちょっと引きずっても良かったようにも思いますが。憧れの人が目の前で死体で保存されていて、しかもそうなった遠因が自分にもあるといえなくもないことがわかったわりにあっさりどうでも良くなっているというか。 すみれよりも小百合を生かすべきだろうと思ったので最後は良かったです。巌雄も小百合を生かすつもりだったのか、すみれを生かすつもりだったのかは不明ですが、どちらかといえば後者でしょうか。一人だけ行方不明になるわけにもいかないとはいえ、同じ娘でありながら生かす方と殺す方を決めてしまっているのは残酷なので、小百合が自分で勝ち取ったならそれもありだと思います。小百合は何人もの人を殺しているわけですが、直接手を下さしているかどうかの違いしかないので、それをもってすみれを生かすべきとは言えないと思いますし。桜宮を存続させたいならすみれより小百合の方が適していると思いますし。 白鳥さんが出てきたので東城医大側が全面勝利するかと思いましたが、むしろ試合に勝って勝負に負けた感があるのは良かったです。塩を送られなければ止められなかったこともありますし。巌雄が塩を送りすぎた感もありますが。 以上です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.06.03 21:50:40
コメント(0) | コメントを書く
[ミステリー] カテゴリの最新記事
|
|