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バラク・オバマ米政権はリビアの内戦にのめりこみつつある。早い段階からネオコン(親イスラエル派)はリビアへの軍事介入に積極的で、ジョン・マケイン米下院議員やジョセフ・リーバーマン米上院議員はリビアの反政府勢力へ武器を供与し、飛行禁止空域を作れとアメリカ政府に要求していたわけだが、オバマ大統領はそうした要求を実現しようとしている。
4月4日には2001年の世界貿易センターへの航空機の突入やペンタゴンに対する攻撃、一般に「9/11」、日本では「同時多発テロ」と呼ばれている出来事の容疑者とされているハリド・シェイク・モハメドを一般法廷でなく、グアンタナモ刑務所で軍事法廷にかけると米司法省は発表しているが、これもネオコンへの屈服と見られている。事件に関する情報が外部へ漏れないようにしたいという思惑が働いていると考える人は少なくない。 ホワイトハウスでこうしたネオコン流の政策を推進している人物がデニス・ロス。パレスチナ人が国連を利用して一方的に独立を宣言することに反対すると言明したことは本コラムでも書いた通り。 軍事介入正当化するため、手をこまねいているとリビアは血の海になるとネオコンは主張してきた。ムアンマル・アルカダフィ政権が70万人近いリビア人を虐殺するかもしれないというわけだが、その根拠は示されていない。オバマ政権内で同調していたのはロスくらいだったという。そのロスの主張が通った形だ。 ネオコンと緊密な関係にあるイスラエルでは、このところ「民族浄化」の動きが活発化している。パレスチナ人居住地域を壁で囲って収容所化を進めて兵糧攻めを続ける一方、軍事侵攻で住居や諸施設を破壊、住民を虐殺してきたのだが、昨年10月には「非ユダヤ系住民」に対して「ユダヤ人国家」への忠誠を誓わせる法律を作成、今年3月には「イスラエルの主権を害する」と認定された人間から市民権を剥奪できる新しい「市民法」を議会が承認している。こうした「民族浄化政策」の背景には、オバマ大統領のイスラエルへの擦り寄りがあるのだろう。 本コラムでは何度も指摘しているが、リビアの反政府派にはアルカイダ系の武装集団が参加、アルカダフィを排除しても問題は解決しない。アルカダフィ政権と反政府派の戦いが続くにしろ、アルカダフィが排除されるにしろ、軍事力で解決しようとするならば、内乱は泥沼化しそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.04.06 16:12:09
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