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《櫻井ジャーナル》

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2011.04.24
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 インターネットを情報が飛び交う時代に入り、「サイバーウォー」という用語を見聞きするようになった。シナイ半島のネゲブ砂漠にイスラエルが設置した施設では、こうした新しい時代の兵器を開発している。

 1970年代に入ると通信傍受システムが張り巡らされ、80年代にはイスラエルやアメリカは各国政府、国際機関、あるいは金融機関などの情報を自動的に入手する仕組みも築いてきた。

 つまり、ダミー企業を使い、トラップドアなどを組み込んだコンピュータ・システムを各国政府や金融機関、国際機関へ売って情報を秘密裏に集める仕組みを作ってきたのである。「動力炉・核燃料開発事業団(動燃)」(現在の日本原子力研究開発機構)が導入したシステムにもトラップドアが組み込まれ、プルトニウムの保有状況はCIAの監視下にあったとも言われている。

 そうしたコンピュータ・システムの研究、開発、そして製造をアメリカでは先住民保留地を活動の拠点にしていた。ここは一種の治外法権になっているので、秘密工作にうってつけなのである。そして現在、ネゲブ砂漠の施設ではイスラエルとアメリカが共同でサイバー兵器の研究開発を進めているという。

 ネゲブ砂漠でのプロジェクトに参加している情報技術の専門家は約300名で、イスラエルのさまざまな政府機関、つまり治安機関のシン・ベト(シャバク)、対外情報機関のモサド、そして軍情報機関のアマンなどから集められている。

 イランの核施設を動かすプログラムへ秘密裏に組み込まれたワーム(不正プログラムの一種)、Stuxnetはここで開発されたのだという。ニューヨーク・タイムズ紙が今年1月に掲載した記事によると、ネゲブ砂漠でイスラエルとアメリカはイランの核開発を阻止するためにStuxnetの効果を試験していた。

 Stuxnetは工業システムに侵入して情報を入手するだけでなく、プログラムを書き換えてしまうプログラム。話題になったのは今年1月だが、ベラルーシのセキュリティー会社が発見したのは昨年7月のこと。このバグが作り出されたのは、そのさらに1年前の2009年6月頃のようだ。

 全世界でStuxnetに攻撃されたコンピュータの約60%はイランのものだということもあり、シーメンスの制御システムを使っているイランの核施設がターゲットだと見られている。

 当初、シーメンスはStuxnetでシステムは影響を受けていないとしていたが、イランは核関係のプログラムがダメージを受けていると昨年11月に発表、施設の始動を遅らせた。

 このワームをロシアの専門家は「サイバー兵器」だとしている。ドイツがまだ統一される前、シーメンスは西ドイツの情報機関BNDと緊密な関係にあり、必然的にアメリカのCIAともつながる。かつて、イランへ「秘密のカギ」を組み込んだ暗号をシーメンスの管理下にあった会社が売り、大きな問題になったこともある。Stuxnetのケースでも、同社が協力した可能性は排除できない。

 さて、イギリスのテレグラフ紙によると、イランに技術的なアドバイスをしているロシアの科学者はロシア政府に対し、バグを放置してスケジュール通りに動かそうとしたら、「もうひとつのチェルノブイリ」になるとロシア政府に報告したという。Stuxnetの存在をロシアの専門家が気づかなかったなら、福島第1原発と同じような大事故がイランで起こる可能性もあったということだ。

 ところで、Stuxnetはすでにブラック・マーケットで売買されているともいう。





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最終更新日  2011.04.25 00:31:30



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