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《櫻井ジャーナル》

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2012.02.04
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 アラブ連盟の監視団が公表したシリア情勢に関する報告書は「西側」のメディアが期待したようなものではなかった。爆破や暴力行為に関する偽情報が伝えられていることを確認したほか、SFA(シリア自由軍)を含む武装勢力が爆破工作などによって市民を死傷させ、制裁案で触れられていない武装勢力の存在などが指摘されている。民主化を求める民衆と独裁者、善と悪、そんなシナリオの報告書ではなかったのだ。

 リビアでNATO軍(英仏米軍)と手を組み、湾岸の独裁産油国からも資金、武器、兵士などの支援を受けてムアンマル・アル・カダフィ体制を倒したアル・カイダ系のリビア・イスラム戦闘団(LIFG)は、一部の部隊をシリアへ派遣している。「西側」が無視する武装集団だ。こうした武装集団を監視団は目撃したのかもしれない。

 しかし、そうした事実を「西側」諸国や湾岸の独裁産油国(サウジアラビアとカタールが中心)はこれまで無視してきた。何しろ、自分たちのストーリー、仮想現実には書かれていないグループであり、「民主化運動の弾圧」という宣伝に反する。そうした西側/独裁産油国のシナリオから外れた内容の報告を監視団がまとめたことは興味深い。

 何しろ、アラブ連盟では湾岸の独裁産油国が大きな影響力を持っている。そこで監視団に公正さを期待する向きは多くなかったのだが、その監視団でさえ、推測に推測を重ねた妄想報告は書けなかったということだろう。

 ところが、国連では「正体不明の武装集団」の存在を不問に付したまま、シリアの政権転覆を決議しようとしている。笑止千万と言いたいところだが、当事者にとっては由々しき事態。

 もし、国連でシリアの体制転覆を求める決議が採択されたなら、リビアの再現になりかねない。そのリビアでは現在、再び戦闘が始まる兆候が現れているが、その一方、拷問が盛んに行われ、犠牲者も出ている。民主化されたとは到底、言えない状況だ。

 リビアの元フランス駐在大使が拘留中に死者しているのも一例。刑務所内はコントロール不能の状態だとも言われている。リビアの体制転覆に加担した人びとは、こうした事態に口をつぐむことは許されない。





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最終更新日  2012.02.04 23:36:44



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