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《櫻井ジャーナル》

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2013.09.18
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 シリアのダマスカス郊外で化学兵器が使われたとされる問題を調べていた国連の調査団が報告書を9月15日に潘基文事務総長へ提出した。それを受け、アメリカの政府やメディアはシリア政府軍が化学兵器を使ったと叫んでいるのだが、アメリカ政府の主張に疑問を突きつけるデータが報告書には書かれている。

 被害者数が大幅に違うと言うことはともかく、疑問のひとつとして指摘されているのは、アメリカ政府が示している被害地域。8月26日に調査団が入ったモアダミヤはダマスカスの南にあるのだが、そこではサリンが使われた痕跡がなかったという。28日から29日にかけて調査したダマスカス東部の地域では明確にサリンの痕跡があるので、モアダミヤへサリンを搭載したミサイルが撃ち込まれたとは考えにくいということになる。

 被害地域が大幅に狭まると、アメリカ政府の描く構図が揺らいでしまう。反シリア政府軍が化学兵器を保有しているとする情報がインターネットで流れている現在、「大量のサリンが使われた」としなければ、政府軍が使ったと主張しにくいからだ。

 反政府軍が化学兵器を入手した方法はいくつか考えられている。実際、「キッチン級」のサリンが使われているようなので、「自家製」の化学兵器を持っていることは確かだろう。

 兵器級のサリンを保有している可能性も高い。リビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が崩壊した時に兵器庫から持ち出された疑いがあり、ゴータの医師、住人、反政府軍の兵士はサウジアラビアを指摘しているという。息子が反政府軍の戦闘員だったという住民のアブ・アブデル・モネイムによると、サウジアラビア人はトンネルを武器庫に使っていて、その中にチューブ状の構造物と巨大なガス用ボトルが含まれていたと話している。

 サウジアラビアは武器や資金を提供しているだけでなく、戦闘員を大量に送り込んでいるとする情報もある。以前は傭兵を雇っていたが、それだけでは足りないようで、死刑囚を恩赦と引き替えにして、シリアで戦わせているという。サウジアラビア政府は否定しているらしいが、その内訳も伝えられている:シリア人254名、サウジアラビア人212名、パキスタン人203名、イエメン人110名、スーダン人96名、エジプト人94名、ヨルダン人82名、ソマリア人68名、クウェート人44名、アフガニスタン人32名、イラク人23名、パレスチナ人21名。

 トルコでの報道によると、5月27日にサリンが入れられた2キログラムのシリンダーが反シリア政府軍戦闘員の住居で発見されたという。トルコ政府はこの情報を否定しているようだが、アメリカ国防総省のOSPで分析官を務めていたマイケル・マルーフはこの報道を補完する情報を伝えている。

 情報の根拠はアメリカ軍から入手した機密文書。トルコで発見されたサリンはイラクのアル・カイダ(AQI)が実験室規模の装置で作ったもので、その製造で中心的な役割を果たしているのはサダム・フセイン時代に化学兵器製造で中心的な役割を果たしていたアドナン・アル・ドゥライミ准将だという。ただ、マルーフが所属していたOSPはネオコンが偽情報を発信するために作った機関。このことから、マルーフの情報に疑問を投げかける向きもいるようだ。

 シリアの放送局、アル・イクバリアは15日に放送された番組で、トルコ軍が反シリア政府軍へ化学兵器を提供していると伝えたという。トルコ政府はシリアの体制転覆を目指しているわけで、「偽旗作戦」に荷担しても不思議ではないが、今のところ真偽は不明だ。

 米英仏の3国は、国連の報告書をシリアの体制転覆に利用しようとしているが、アメリカ政府は自分たちが持っているという「証拠」を明らかにしていない。イラクを攻撃する際、アメリカ政府は「証拠」を公表したが、すぐに偽情報だということが発覚してしまった。その失敗を反省し、何も公表しない可能性がある。





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最終更新日  2013.09.18 17:41:56



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