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《櫻井ジャーナル》

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2014.11.25
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 バラク・オバマ政権の国防長官は次で4人目ということになる。チャック・ヘイグ国防長官は国家安全保障問題担当補佐官のスーザン・ライス、その下にいるベン・ローズ、国連大使のサマンサ・パワーといった血まみれの好戦派と対立、追い出されることになったようだ。

 ライスとパワーのほか、ウクライナでネオ・ナチと「オリガルヒ」を使ってクーデターを成功させ、東/南部でロシア語系の住民を虐殺、追放するプロジェクトを指揮しているビクトリア・ヌランド国務次官補という戦争好きの女性がオバマ政権にはいる。いわば「3人の魔女」。

 このうち、ライスはユーゴスラビアを先制攻撃した際の国務長官、マデリーン・オルブライトと関係が深い。ライスの母親がブルッキングス研究所の研究員だったこともあり、彼女の自宅にはオルブライトが訪問、子どもの頃からライスと知り合いになっている。なお、ライスの父親はコーネル大学で経済学を教え、1979年には連邦準備制度理事会の理事に就任した経歴の持ち主。つまり、アメリカ支配層のために働いている。

 このオルブライトはコロンビア大学でズビグネフ・ブレジンスキーに学んでいる。オルブライトはチョコスロバキア出身で父親は外交官、ブレジンスキーはポーランド出身で父親はやはり外交官だった。オバマ大統領自身、コロンビア大学でブレジンスキーに仕込まれたという。こうした人脈を考えると、オバマ大統領はブレジンスキーから大きな影響を受けている可能性が高く、ウクライナでクーデターを実行した理由もわかる。

 ビル・クリントン政権で最初に国務長官を務めたウォーレン・クリストファーはユーゴスラビアへの先制攻撃に反対していたが、1997年にオブライトと交代させられている。今回、国務省から追い出されたヘイグはクリストファーに近い考え方の人物。ブレジンスキーがウクライナを重視したのはロシアを潰すためであり、ユーゴスラビアと同じこと、つまり軍事侵略すれば世界大戦の可能性が高まる。

 オバマ政権で最初の国防長官、ロバート・ゲーツは前政権でも同じポストに座っていたが、ネオコン/シオニストとは一線を画している。1980年代にジェームズ・ベーカー国務長官がネオコン/シオニストと対立した際にはベーカーのグループに属していた。オバマ政権でベーカーが対立した相手はラーム・エマニュエル大統領首席補佐官。かつてイスラエル軍の軍人だった人物で、筋金入りのネオコン/シオニストだ。

 このゲーツは自身の回顧録『任務』の中で、1991年の終わりにソ連が崩壊した際にリチャード・チェイニーは、ソ連やロシア帝国だけではなく、ロシアそのものが取り除かれるところを見たいと語っていたという。ジョージ・W・ブッシュ政権で軍事侵略は副大統領のチェイニーが主導していたようだが、その先にはロシアとの戦争があったということになる。(Robert M. Gates, “Duty,” Alfred A. Knopf, 2014)

 現在、ウクライナで暴力を全面に出した工作を進めているのがヌランド。ヌランドが結婚した相手のロバート・ケーガンはネオコン/シオニストの大物であり、ウクライナで民族浄化を主導していると言われるドネプロペトロフスク州のイーゴリ・コロモイスキー知事はウクライナ、イスラエル、キプロスの三重国籍を持つ。この人物はネオコン/シオニストに近い。

 一昨年終盤から昨年初めにかけてネオコン/シオニストに操られたデイビッド・ペトレイアスCIA長官と軍需産業ロッキード・マーチンの代理人と言われるヒラリー・クリントン国務長官がホワイトハウスを去った時点では好戦派の勢いが弱まったと見られていたが、ここにきて強烈な巻き返しを図っている。ブレジンスキーの好戦的な戦略から逃れられないオバマ大統領はそこをネオコン/シオニストにつけ込まれ、世界を破滅的な方向へ引きずっていこうとしている。高をくくっていると本当に人類は破滅しかねない。

 アメリカは侵略国家というだけでなく、ナチズムを支持していることを認識する必要がある。子どもの頃に刷り込まれた「自由と民主主義の国」という幻影も事実を見れば自ずと消えていくだろうが、その単純なことをできない人が少なくない。





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最終更新日  2014.11.26 05:31:16



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