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《櫻井ジャーナル》

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2015.07.29
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 アメリカ軍が自国のために戦っていると考えてはならない。2003年3月にアメリカ軍はイギリス軍などを引き連れてイラクを先制攻撃しているが、アメリカの利益を考えたならば、この開戦は間違っていた。これは結果論ではなく、開戦の前から指摘されていたことで、だからこそ開戦が約1年間、延期されたのである。

 ヨーロッパ連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を経験したウェズリー・クラークによると、ソ連が消滅した1991年にネオコン/シオニストのポール・ウォルフォウィッツ国防次官はイラク、シリア、イランを殲滅すると語り、2001年のうちにドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺ではイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンに対する攻撃を決定、統合参謀本部へ伝えられていた。2002年に攻撃しなかったのは、いわゆる制服組が抵抗したからだ。

 ラムズフェルド長官のプランに反対していた将軍(退役を含む)には、例えば、エリック・シンセキ大将(2003年退役)、グレゴリー・ニューボルド中将(2002年退役)、アンソニー・ジニ大将(2000年退役)、ウェズリー・クラーク大将(2000年退役)、ポール・イートン少将(2006年退役)、ジョン・バチステ少将(2005年退役)、チャールズ・スワナック少将(2004年退役)、ポール・バン・リパー中将(1997年退役)、ジョン・リッグス中将(2004年退役)が含まれている。

 2002年にはイラク攻撃を想定した図上演習「ミレニアム・チャレンジ2002」が実施されているが、その演習で赤チーム(イラク軍)の司令官に選ばれたのがリッパー中将。赤チームは通信にオートバイを使い、モスクから流れる暗号化されたメッセージで攻撃の準備をさせて16隻のアメリカ艦船を沈めてしまう。慌てたのはJFCOM(アメリカ統合戦力軍)のウィリアム・カーナン司令官で、沈没船を浮上させて青チームを勝利させるように誘導したとされている。

 日本では短期間でアメリカ側が勝利、精密誘導爆弾で市民の犠牲はほとんどないように宣伝されていたが、情報を整理すれば大量破壊兵器の話が嘘だと考えざるをえず、統合参謀本部でもそう判断していたはず。しかも戦闘が泥沼化して犠牲者は増え、戦費が膨らむことは目に見えていた。

 フランクリン・ルーズベルトが大統領に就任した直後、JPモルガンを中心とする巨大資本がファシズム体制の樹立を目指すクーデターを計画していた。この計画を議会で暴いたスメドリー・バトラー少将は33年余りの軍隊生活について、巨大ビジネス、ウォール街、銀行のための高級用心棒だと表現している。国のためにではなく、巨大資本のカネ儲けを助けるために戦ったと言っているのだ。こうした仕組みは当時より強くなっている。

 イラク攻撃に関してはイスラエル/ネオコンの戦略を無視することはできない。1980年代、ロナルド・レーガン政権ではイラクのサダム・フセイン体制をどうするかで2派が揉めていた。ネオコンはフセインを排除すべきだと主張、ジョージ・H・W・ブッシュやロバート・ゲーツたちのグループと対立したのだ。イラクへの武器輸出、いわゆるイラクゲート事件が表面化した理由はこの対立にある。

 アメリカ軍は今でも巨大資本やイスラエル/ネオコンのために戦わされ、0.01%と言われる富豪が肥え太る一方で庶民は疲弊、アメリカという国は衰退している。そのアメリカを支えるため、集団的自衛権で日本を軍事的な補完物として使い、TPPで巨大資本が直接統治する体制を築こうとしている。日本やアメリカという国の単位で物事を理解しようとすると見えないだろうが、支配者と被支配者、ふたつの階級の戦争は最終局面に入っている。





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最終更新日  2015.07.29 20:00:55



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