あらすじ
ホワイトハウスに実在した黒人執事ユージン・アレンの物語を
モデルにし、
セシル・ゲインズ(フォレスト・ウィテカー)が激動の20世紀、
公民権運動やベトナム戦争の時代を家族と共に乗り越えた日々を
歴代大統領の横顔と共にリー・ダニエルズ監督が描き出す。
『The Butler/大統領の執事の涙』
「なぜ人種差別が存在するのか、
息子にどう説明したらいいかわからない」
リー監督の言葉が胸に突き刺さる。
それでも生きて行かなければならない。
日々の糧を得るためにはどんな仕事でもしなくてはならない。
映画の中には
自身の父の息子としての自分も
自身の息子の父としての自分も投影されているだろう。
そんな苦悩と共に、
未だ答えのない問い「なぜ人種差別が存在するのか」と共に。
ふたりの息子のために
一見、白人に追随し、迎合して生きているように見えるセシル。
ふたりの息子は
白人の中で、アメリカで生きる黒人のふたつの像、
表裏一体で常に葛藤し続ける、
アンビバレントambivalentな肖像のようにも思える。
ホワイトハウスのハレとケ(晴れ/霽れと褻)、
表と裏は
セシル一家の表と裏、黒人のAmbivalentに溶け込み融け合い
重奏する。
生活を守りたい家族を守りたいという思いと
自由と人権と平等を得たいという希求の鬩ぎ合い。
前作『プレシャス/Precious』も
二重性を感じさせてambivalentに連なる文学性が共通するかも。
ちなみに前作プロデューサーのひとりが
セシル妻役のオプラ・ウィンフリー。
KKKがバスを襲うシーンや、
ダイナーの白人席で学生が攻撃されるシーンは迫真に迫る演出で
あらためて恐怖を呼び起こし、
それゆえに長男ルイスの勇敢さ、勁さを強烈に対比させる。
心を揺さぶられずにはいられないシーンのひとつ。
『ホワイトハウス・ダウン』は現職を想起させる黒人大統領が登場。
それゆえか保守派・右派などから作品が攻撃されていたが...
今作もアメリカの観客の一部は
現職政権にすり寄る映画との批判も。やれやれ。
映画の中心は20世紀の出来事だが
21世紀になってオバマ大統領の時代になってもまだ
黒人への差別心がこういった映画を通しても(一部の観客の反応からわかる)
炙り出されている現実もあらためて感じる。
19世紀の黒人奴隷問題を描いた
『それでも夜は明ける/12 Years Slave』
20世紀については今作『The Butler』
そして21世紀にもまだ、黒人への偏見から
誤認拘束、逮捕に射殺までしてしまう実際の事件を描いた
『フルートベール駅で』
と3世紀にもわたる黒人の苦難の歴史が
ほぼ同時期に公開された映画を通してChainのようにリンクした。
ちなみに『フルートベール駅で』のプロデューサーのひとりは
『大統領の執事の涙』主演のフォレスト・ウィテカー。
そういった意味でも、
活動や意思、意図はリンクし連携している。
歴代大統領の個性は
人物像、あるいは当時を伝える、時にコミカルな風俗的ショットで
シリアスなセシルたち黒人のドラマと対照的、かつエンタメ性もあった。
第34代アイゼンハワー大統領はロビン・ウィリアムズ
第35代ジョン・F・ケネディ大統領、ジェームズ・マースデン
第36代ジョンソン大統領、リーヴ・シュレイバー
第37代ニクソン大統領、ジョン・キューザック(やな奴、がよく伝わった!)
第40代レーガン大統領、アラン・リックマン
ジャクリーン・ケネディ、ミンカ・ケリー(ピンクのCHANELスーツは史実通り)
ナンシー・レーガンはジェーン・フォンダ!
to be continued...!?
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