たかが○千円、されど○千円・・・それが問題だ(謎)
今や管理人の高速道路を使う長距離ドライブには欠かせなくなっているETC(自動料金収受システム)。通勤割引などの割引制度により、上手く使えば通行料金をある程度安上がりに押さえることが可能になりましたが、一方でインターチェンジのETCゲートを強引に突破して料金を踏み倒す悪人が少なからずいるのも事実・・・ そんな中、佐賀県でこんなETCの不正使用が摘発されました。*<ETCキセル>2枚のカードで通行 40歳男を逮捕 佐賀 <Yahoo!ニュース/毎日新聞>(注:Web上のニュース記事のため時間経過により削除される場合があります) 管理人は今の所1枚のETCカードしか持たないようにしているのでやったことはないんですが、2枚のETCカードを持ち、距離100kmを超える区間を走る際に1枚のETCカードで普通に100km以内の区間を通行してゲートを出てから次のカードに切り替えて残り区間を通って通勤割引を2回受けるという使い方をしているユーザーは少なくないようです(割引適用はカード1枚ごとに適用されるのでこういう芸当ができるらしい)しかし、今回は鉄道で乗降駅の切符を買って途中区間の料金を踏み倒す不正乗車行為、いわゆる"キセル"を2枚のETCカードを使って行った事例だそうです。 上の記事で出ている今回の手口を管理人の身の回りを例に検証してみました。松山・高松自動車道で松山IC-高松西IC(片道3,550円×2=7,100円)を往復するケースを想定してみます(料金はすべて普通車料金) この場合、AとBの2枚のETCカードを用意し、まずは事前に高松西の手前の坂出ICに入るときに使ったBのカードを何らかの手で温存しておき、松山から入る際にはAのカードを使用、降りる前にBのカードに差し替えて高松西を出ます。そして、復路はBのカードで坂出から入り、往路で使ったAのカードに差し替えて松山の次の伊予ICで出ます。これにより、データ上では往路はBのカードを使って坂出-高松西(550円)、復路はAのカードを使って松山-伊予(400円)の往復合計950円ということになり、本来の松山-高松西間往復7,100円との差額6,150円をごまかせるというわけです。 ちなみに、松山-高松西で2枚のETCカードを普通に途中で切り替えて通勤割引を2回受けようとする場合、往路は松山-大野原IC(区間96.7km)で一旦降りて割引1,350円+大野原-高松西(割引700円)の計2,050円、復路は大野原-いよ西条IC(区間93.3km)で一旦降りて割引1,300円+いよ西条-松山(割引700円)の計2,000円、往復合計4,050円という計算になります。なるほど、これなら手口さえ思い付けばキセルの方が遥かに安上がりではありますね(苦笑) ただし、紙の切符で乗車する鉄道でのキセルならともかく、ETCはすべての通行記録が管理されているわけで、おかしい点があればすぐにバレるとこの犯人は考えなかったんでしょうかね。あるいは以前から不正使用が行われていたのに今の今まで気付かなかったNEXCO側の目が節穴だったのか・・・ まぁ何はともあれ、今回こうしてETCの不正使用の手口が一つ明らかになったわけですから、今後システム上で対策が取られることを期待しましょう。もっとも、この手の不正使用とシステム対策は古今東西問わずイタチごっこの様相を呈するのが常ではありますが・・・