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カテゴリ:【エッセイ】パリの空の下で
金曜日、日本へ帰国する友達がワインを買いたいというので、 私のパリのファミーユと言っても過言ではないワイン屋へ連れて行くことに。 先に着いていた友達たちは、私と約束があるということを伝えていたらしく、着いてみたら「ほら!有名人が来た」と言われてしまった。 いつものように、みんなとビズをして、友達に遅れたことを謝って・・・・。 ★★☆☆ ここは、私にとって特別なワイン屋さん。 しばらく顔を出さないと、怒られる。 「元気がないときほど、こい!」と言われる。 そして、「顔を見ないと、さみしいじゃないか」と言ってくれる。 私にとって大切な場所。 ここは、オーナーを始めとして3人の店員がいるけれど、みんなと仲良しなので、いつ行っても、誰がいても、私にとっては楽しみ。 「今日は、誰がいるかな~」って感じでお店を覗く楽しみもある。 ★★★★ 上で作業を終えた、ここのオーナーが降りてきて、いつものようにあつ~~~いハグと共にビズをしてくえた。 彼は、いつも時間があるとワインを「ポン!」と開けてくれる。 お店にいるお客さん全員にワインをふるまい、あっという間にお店は試飲会場となるのだ。 昨日開けてくれたのが、ニコラ・ポテルのヴォーヌ・ロマネ 2003年。 香りは、薔薇!フランボワーズ!フレーズ!で、しかもちょっと甘みを感じる。 口当たりも上品で滑らか、最後は下の奥にタンニンとアルコールを感じるしたような気がしたので、尋ねてみたら、それがこの年の「乾いた」という特徴になるらしい。 2005年に比べて、2003年の方がまだ水分があるとも言っていた。 久しぶりに「開けてすぐにおいしいワイン」を体験した私のテンションは上がった。 友達のワインを買い終わり、近くで食事をできるところを聞くと、仲良しのお店を紹介してくれた。 私が予約の電話をすると、電話を代わり 「うちのスーパーコピンヌが今から行くから、よろしく★」 と言って電話を勝手に切っちゃうあたりが、彼らしい。 そして、お店を出ようとする私にア・ラ・ヴォーグル用のカバーに包まれた先ほどワインを渡してこう言った。 「これを持って行ってグラス1杯分を彼にあげて、あとは飲んでいいから」 さすが人と人とでつながっているフランス社会。 友達のお店とはいえ、開けたワインを持参していっていいものか・・・。 と一瞬思ったけれど、 「ありがとう!」 と言って、金曜のパリをワインの瓶を右手に抱え、意気揚々と目的地へ。 ★☆☆☆ 普通にパリで生活していたら、きっとこういう事は起きなかったと思う。 私が普通じゃないという意味ではなく、人と人とのつながりで、今のこの生活があるということをふと感じることがある。 最近、特にそう思うことが多くなってきて、感謝の日々。 どんなに寒い雪の降るパリも、灰色の空も、私は人と人とのつながりで乗り越えていると思う。 「信頼」という一言に尽きるかもしれないけれど、それによって私は生かされているんだろうな。 そして、同時に「ワイン」という「分かち合い」を教えてくれるものに出会ったことも何かの縁だと思う。 フランスの文化は「分かち合いだ」と言っていた人がいた。。。。 まさにそれを象徴するものの1つが「ワイン」。 私のパリの生活は、「ワイン」と出会ったことで大きく変わったから、フランス人の言うところの「分かち合い」の文化を少しは経験できているのかもしれないな。。。 【ニコラ・ポテルのワイン】
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最終更新日
2010.12.11 19:48:50
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