レポートNO.85「サービス産業生産性協議会第2回月例研究会」
今日は午後から、サービス産業生産性協議会主催の第2回「月例研究会」に参加してきました。先月、同組織の研究会議に参加後、協議会に入会しましたので、はじめての月例研究会の参加でした。本日の演題は「事例に学ぶ革新的サービス創造の方法論」~”経験と勘”に頼るサービスから”科学的・工学的手法”への転換~です。講師は産業技術総合研究所・イノベーション推進室総括企画主幹(イノベーション戦略チーム長)の内藤耕博士。顧客の継続した行動をデータとして把握・集積し、統計的に分析することで、顧客ニーズを把握しあり、ニーズ予測をする中から仮説を立てることで提供サービスの開発、さらには新産業の発掘を産学で研究、実現して行こうというお話しでした。これまで、「経験と勘」で進められてきたサービスの世界に、科学的・工学的手法を導入してイノベーションをおこそうというものです。先行事例として、スイカやナナコなどが収集している顧客情報から見えてくるものや、HP上で集まる顧客データを大量に蓄積し、そこからデータを解析することで、マスとしての潜在ニーズを把握して成功している事例や個別顧客の行動を継続的に分析することで見えてくるものなど、具体的な取り組み事例が豊富に提供されました。わが国主導で「サービス工学」という新しい学問領域を開拓・確立していくとのことです。わが国の製造業は生産性もコストも改革はピークを過ぎているが、「サービス産業はニュートンの時代』という言葉が印象的でした。サービスのPDCAをまわして、サービス現場を継続的に改善し、品質と生産性を高めると同時に戦略的にサービス・イノベーションを実現していかなければならないという博士の主張は深く納得できるものでした。いろいろな気づきやアイディアの種を考えさせて頂けた研究会でした。2007年11月20日(火)今日の一言「マーケティングデータはスポット情報であり、これからは継続的行動データを収集し分析する視点が必要である。(内藤耕博士)」