カテゴリ:読書
虚夢 昨日はかなり疲れており体調も悪かったので十分な睡眠をとる必要があったのに かなり夢中になってしまって一気読みしてしまった。 あー、しんど。 でも後悔はしていない(笑) 今年読んだ中では一、二を争うぐらいの作品だったから。 過去二作、少年犯罪・幼女殺害事件をテーマに描いてきた薬丸氏。 今作のテーマは心神喪失者による犯罪。 既読の「闇の底」もさることながら今回のテーマもかなり重く深く考えさせられた。 しかしながら後味の悪さはあまり感じなかったのが私にとってはポイント高し。 被害者および被害者家族はもちろんのこと、加害者についても丁寧に描かれており ただの「異常者」として扱っているのではないのが印象的。 専門家でもなんでもない単なる読者である私がこんなことを書くのはおこがましいけれど 薬丸氏の作品は相当クオリティが高いなーと思った。 デビュー作「天使のナイフ」をなぜだか未読なので早く読みたいと思う。 作品の中で主人公が言っているように、 精神疾患や麻薬・アルコールによる錯乱状態の場合殺人を犯しても 罪を問われない(もしくは減刑される)法律ってなんなんだろう? そもそも「殺人」という行為自体が常軌を逸した行動(精神錯乱状態)だと思うの だが、刑を科せられるものとそうでないものの線引きはどうなっているのだろうか? 私も常々このことにかなり強く疑問や憤りを感じていたが、 今作のように 「本物」の精神疾患者とその家族の哀しみ・苦しみがしっかり描かれているものに出会い 少しだけ考えが気持ちが変わった。 とはいっても、決して今のままでいいとは思っている訳ではなく 改善されるべきだという考えは変わりはない。 が、そう簡単に答えは出そうにない。 深く難しい問題だ。 ・ 薬丸 岳氏の他作品レビュー ・ ・「闇の底」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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