692)私的岩手通史の旅 第13回(古墳時代3)
会社から拙宅へ向かう途中ふと空を見上げたところ、強い風に雲が流された県都の空はすっきりしており、沈んだ太陽の残照でシルエットとなった山々が盛岡市を囲んでいました。そして西方には宵の明星が・・・。鼻水をすすりながら何となく心洗われる気分となりました。私的岩手通史の旅 第13回 古墳時代3(江釣子古墳群 北上市) 通史の旅、本日ご覧いただくのは北上市にある「江釣子(えづりこ)古墳群」でございます。江釣子古墳群は、北上市を東西に流れる和賀川の北岸で発見された「猫谷地(ねこやち)」「八幡」等々の古墳群の総称で、直径6~15メートルの小型円墳が約130基程見つかっています。 このうち猫谷地古墳は7世紀後半~8世紀後半の円墳群で、国の史跡ながら東北自動車道の高架脇や交差する市道沿いに無造作に並んでいます。看板が無ければ単に石が積まれているようにしか見えません。(東北道高架下にある猫谷地10号墳 -北上市下江釣子 H22.3.13-) 猫谷地古墳の中で代表的な物が「猫谷地1号墳」です。楕円状に川原石が積まれた下に、南北3.5メートル・東西75センチ・高さ1メートルの石室が発見されました。石室内からは武器や装飾品等々が出土しています。 この手の遺跡は風化を避けるために覆土するなりして一般の目に触れにくくされてしまうものですが、この1号墳は調査が終わった後もそのままの状態で公開されており、案内本には石室の内部が写っています。 そこで一昨年の8月に訪問したのですが、案内本と違いブルーシートで覆われていました。傍らの案内札によると、2008(平成20)年6月14日に発生した岩手宮城内陸地震により石室東壁の一部が崩れてしまったのだそうです。 本年3月に再訪しましたが、ブルーシートは取り払われ、代わりに土のうが埋め込まれているようでした。(震災前(上)と震災後(下)の石室の様子 -北上市下江釣子 H20.8.10-) 意外なところに震災の爪あとがあったものです。 1年前の一品・・・「479)栃木散歩 日光市(開山の地)」 2年前の一品・・・「222)引っ越しをしたよ!3」にほんブログ村