鈍行流な日々

久しぶりの解説会です。

カミさんには「見るだけなのに小樽までいくの！」と、あきれられましたが、そんな事でひるんではいられません。

前回はいつだったのか覚えていません。
羽生さんの対局は過去２回。１回目は王座戦で渡辺竜王がタイトル戦初登場の時です。このときは、「逆転負け」を喫した羽生王座が「じゃあ、初手から」と感想戦を始めて、解説会場には姿を見せませんでした。珍しい事だったようです。
２回目は、森内九段との名人戦で、終局が地下鉄の最終ギリギリになり、慌てて帰ったことを鮮明に覚えています。
さっぽろ東急将棋まつりも今年は開催されずに寂しい思いをしていました。

さて、月曜日に半休のＯＫを貰ったものの、今度はＯＫをくれた上司の体調が悪くなりました。めったな事では休まないのに、火曜日の終業３０分前に早退しました。最悪のケースも考えて水曜日は出勤しました。９時３０分ころに上司から「さいはてさん、何時までいられる。１３時から３０分間の会議の運営を頼めないだろうか？」という依頼。やはり体調が悪いようで、その後半休を取って職場から消えました。予定の時刻に会議を終えて職場に戻ると、体調は悪そうですが「もう帰るでしょ？」と尋ねてくれたので「申し訳ないなあ」と思いつつ「ハイ」と答えいったん自宅に戻りました。上司の気持ちに応えるためにも、解説会を楽しんで来ようと腹を決めました。というわけでメモを取らずに聞いていたので、若干事実と違う点があるかと思いますが、ご容赦下さい。

さて、自宅に戻ると、ＪＲでは間に合わない時刻になっていましたので、不本意ながら車で小樽まで向かうことにしました。会場は高速を降りてすぐのホテルです。車の運転も鈍行流なので、開始時刻に間に合うかどうかヒヤヒヤしながら走り、会場近くの大型ショッピングセンターの駐車場に車を入れました。案内板に「６Ｆ満・７Ｆ空・Ｒ閉」の表示を見つつ、グルグルとらせん状に駐車場を駆け上り店内入り口近くの駐車スペースに車を停め、一目散にホテルを目指しました。

開始時刻ギリギリに会場到着。ケータイをマナーモードにして会場内に入り、某掲示板に「滑り込みセーフ」と書き込みましたが、何と「文字化け」。多くの方にご迷惑をおかけしました。札幌に来る際には声をかけていただければ、美味しいスイーツのお店を紹介します。（笑）

開始時刻になり、橋本七段（副立会人）と久津女流初段が登場しました。が中継ブログにもあったように２０分ほど橋本七段のトークが続きます。今思えば、終局が早そうなので時間を調整していたものと推測できますが、そのときは現局面がどうなっているのかが、早く知りたくてやきもきしていました。

そのなかで、覚えているところをいくつかご紹介。
橋本七段は開口一番「私は北海道が好きです」と好感度を上げようと猛アピール。今日は、北海道出身と言える、広瀬王位の応援をします。しかし、北海道の何が良いのか久津初段に聞かれても、具体的なコメントは余り聞かれず。
「羽生先生はいつも将棋のことを考えていて、僕に気づいてくれない。」と言い、左手を顎の下に、右手の甲を左肘の下にあてがいます。羽生二冠が考え込んでいる姿に似ているので、会場からは笑いの渦が。「うーん、横歩取りの変化が、ブツブツ。あ、橋本さん」何となくありそうでもあり、なさそうでもあり。
橋本七段は「今日は体調が悪い」と連発していて、その理由にＫさん（後で観戦記者のＫ暮さんと判明、王位戦は小池大志のペンネーム）と昨夜飲食店のはしごをしたことを明かしていました。「ラーメン、ラーメン、ジンギスカン」と行ったようで確かにかなり油の多いメニューが並んでいます。しかもその前に関係者で夕食会もあったそうですので、すごい量を食べてますね。まあ、飲んでるからできるのでしょうが。

ようやく、待望の棋譜解説が始まりました。ゴキゲン中飛車の出だしです。最近は七手目▲５八金の超急戦は先手は選ばない、とのこと。
１日目の指し手が並べ終わったところで「封じ手」の時に起こった、ちょっとした出来事を橋本七段が話し出します。
封じ手用紙に記入した広瀬王位が、本来なら羽生２冠に渡し、サインした後で立会人の大内九段に渡すところを、羽生二冠に渡さずに大内九段に渡してしまったとの事。そのとき羽生二冠は『広瀬君、まだまだ青いね』という雰囲気を醸したように感じた、とのこと。第３局を羽生二冠が制することになれば今回のシリーズの流れを変える一コマかもしれない、とも話していました。

▲４四銀～▲１二飛成まで羽生二冠があまり時間を使わずに進めたことについて、橋本七段は「なんとなく大雑把な印象を受けます」「でも先手が良いと思います」
しかし、この辺から怪しげなトークが
橋本「私が解説すると、大逆転が多いんですよ。二歩を打った先生もいるし」
久津「私も石橋さんのとき、聞き手してました。反則されたこともあります」
橋本「この二人の邪悪なオーラが対局室にとどくと、何かがおこるかもしれませんね」

たしか、この辺でいったん休憩。