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テーマ:ミステリはお好き?(1430)
カテゴリ:読んだ本(ミステリ・日本)
重い素材を扱う場合,よほど奇抜なトリックなり,しっかりした構成なり,引き込むような語り口を用意しておかないと,ミステリとしては素材負けしてしまう。
初野晴の「水の時計」についていえば,やや素材の重さに引きずられてしまったというところか。暴走族の中心メンバーであった少年が,見知らぬ人間から強引に巻き込まれる形で臓器移植の「臓器運び屋」になる。 臓器の提供者は脳死状態にありながらも少年と「会話ができる」少女。 さて,この少年と少女のつながりは? また,執拗に少年を追いかける刑事の真意は? まわりに登場する医師やルポライターたちの正体は? とまあ,「謎」は随所にちりばめられているのだが,角膜の移植,腎臓の移植,心臓の移植などの重さを引きずったまま話が進んでいくため,かなりの部分が未消化に終わってしまった感じがする(個々の話がそれぞれにおもしろかったので,逆に全体の流れが澱んでしまったといってもよい。「心臓」の先生の話など,もう少し広げて独立させてもりっぱなミステリになったと思えるほど)。 タイトルの「水の時計」にしても,人間のからだの90%以上が水であり,月の影響で葉月の時計が狂い,話をできるようになるだけでは,さみしいし,葉月が昴を知っていて,昴が花屋で万引きしたかわりに置いてきた時計やコインを葉月が預っていたところまではわかったが,そのような一方的な関係に昴がどうしてあそこまで引きずられなければならなかったのかについては,書ききれていないような気がした(1千万円のため,と割り切ってしまうのならそれでもいいのだが……)。 もちろん,人によって作品の好みはいろいろあるだろう。たとえば,畠中恵の本で「百万の手」のほうが「ゆめつげ」よりもおもしろかったと感じた人には,けっこうオススメの本であるような気がする。 また,ここまでいろいろ書き,自分としては「ゆめつげ」のほうが好きなわけだが,次作「漆黒の王子」を読んでみようという気になっている(笑) 2002年の横溝正史ミステリ大賞受賞作。 初野晴の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (初野晴)からごらんください。 楽天ブックス 次の日記も読ませていただきました。 まみむメモ(Pump!さん)←実は,こちらの日記で知り,読んでみることにしました。 きまぐれうさぎ(ぷるんつさん) 本棚の中はいつもサバイバル(hako041さん) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/08/22 06:57:42 PM
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