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カテゴリ:薬物・薬効・薬害
「これは麻薬だけど麻薬ではありません」
「???」 学生の時の臨床薬理の講義で、緊急の時には「麻薬処方箋」なんか書いているヒマが無いのでこれは麻薬ではないことになってます・・・というようなことを聴いた覚えがあります。 ケシの実から採った、アヘン(Opium)は10%程度のモルヒネを含んでおりますが、麻薬(アヘン)と同様の効果を示す物質をオピオイド(Opioid:オピウム類似物質)と呼びます。 脳内にはオピオイドが作用する部位(オピオイド受容体ミュー、カッパ、デルタ、シグマ、イプシロンの5つ)がありますが、オピオイド受容体に作用する麻薬にはモルヒネやコデインの他に合成麻薬のフェンタニル、非麻薬性鎮痛剤のペンタゾシンなどの薬物があります。 また、これらの外因性のオピオイドばかりでなく、脳内にも内因性のオピオイドが存在します。 内因性オピオイド(エンドルフィン類ミュー受容体、エンケファリン類デルタ受容体、ダイノルフィン類カッパ受容体)のなかでも、ベータエンドルフィンはモルヒネの6.5倍の鎮痛作用があり、多幸感をもたらします(ランナーズハイ)ので、「脳内麻薬」とも呼ばれております。 麻薬ではないことになっているペンタゾシン(ペンタジン、ソセゴン)も、実は麻薬の仲間で、気持ち良くて病みつきになりますので、最近は病院での盗難が増え、管理も厳しくなっております。 モルヒネ ペンタジン エンドルフィン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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