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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2012年12月20日
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テーマ:ニュース(99630)
カテゴリ:経済

 自民党の安倍晋三総裁は、今回の選挙結果を受けて発足する新政権で、経済財政政策をリードする「日本経済再生本部」を設立する。新政権における経済政策の最大の目標はデフレ脱却、それに効果ある施策を同本部を「新たな司令塔」として集中投入しようというわけだ。甘利明政調会長の経済再生担当相起用も固まった。

 これを受けて東証はいきなり今年最大の急騰を記録。久々に景気の良い話で結構だが、その効果ある施策の中身たるや要するに選挙中に安倍氏が「輪転機をグルグル回してお札を刷る」とぶち上げたことに尽きる。市場の反応、ちょっと気が早いんではないかい?

 やや具体的にいえば、まず景気刺激策として「国土強靱化」とかの題目で新幹線や高速道路など昔ながらの公共事業に10年で200兆円の大盤振る舞い。もちろん積み上がった財政赤字で破綻寸前の国庫にそんなカネはないから国債を大増発して借金で調達しなければならないが、そんな莫大な国債が市場で完売できるはずもないので、日銀が「輪転機をグルグル回して」引き受けろって理屈なのだ。

 かくして通貨の流通量が増えれば、当然のことながらそのぶん通貨価値は下落し、その反動で物価は上がる。で、最終的にたどり着くのが「インフレターゲット」、つまり年2%ばかり物価を押し上げる程度に「輪転機をグルグル回す」って経済政策がいわゆるアベノミクス(アベ氏のエコノミーポリティクス=経済政策)というわけだ。 で、ここでハッキリ言うが、本気でこんなコトしたら日本の経済も財政も無茶苦茶になるぞ。

 なんてことは経済学ないし財政学を少しでも学んだことがある人なら当然の常識であって、中央銀行が国債を引き受けるなど、将棋の二歩やサッカーのハンドなみの禁じ手。というわけで、経団連の「子泣きジジイ」(^_-)じゃなかった米倉クンもさすがに「それはあかん」と一度はたしなめたのだが、安倍氏に逆ギレされてヘナヘナと腰が砕け前言撤回の平謝り。同じく非常識な阿倍発言に憮然としていた日銀白川総裁も、選挙の結果が出るや自ら安倍氏の元を訪れ、事実上のミサイル・・じゃなくて(^^;)白旗を揚げた。

 日本経済のリーダーたちの揃いもそろってのこのていたらく。財政規律も日銀の独立も怪しくなりかねない平伏(ひれふ)ぶりなのだが、これが独裁可能な権力を与えた圧勝の威光というものなのだろう。安倍新政権が発足した後、日銀はインフレターゲットで政府と協定を結ぶという。インフレ目標を達成できなければその責任が問われることになる。日銀は総裁の首を担保に差し出して政府に和を乞うたのだ。

 かくしてインフレが成ればたしかにデフレからは脱却できるが、現在の労使の力関係で給料など収入が増えるはずもなく、上がった物価の分だけ庶民にはさらなる生活苦が押しつけられる。一方、市場の消化能力を超えて発行された国債は金利を上げてさばくほかなく、かくして膨張する金利負担は破綻寸前の国家財政にとどめを刺す可能性が濃厚にある。そうなれば、後はギリシャと同じハイパーインフレと財政崩壊へ一直線だ。日本経済は根底から瓦解する。もはや生活苦なんて牧歌的な表現で済む状態ではない。

 デフレ不況は克服しなければならないが、それが「輪転機をグルグル」なんてアホな手段で実現するなら誰も苦労はしない。公共投資で一時的にゼネコンなどが儲かっても、日本経済全体が自立した発展軌道に乗らなければ、覚醒剤にも似たその効果はたちまち消えて、残るのは悪夢のような借金の山だけだ。だが一方、消費が成熟し人口が減り続けるこの国で、かつてのような車や家電など消費財主導の経済成長の再現もない。いま必要なのは、日本の産業全体を新たな成長分野に思い切ってシフトすることで、経済を自立した発展軌道に乗せることなのだ。

 不要不急の無駄な土建工事や時代遅れの原発にしがみついている限り、デフレスパイラルからの脱却はない。これらは本質的に、財政出動なしに成立しない産業だからだ。21世紀の世界の成長分野は低炭素技術とITと農林水産業を含む環境、さらに成熟社会日本ではこれに福祉や教育など手造りのサービスが加わる。これら雇用力も成長力も大きな分野に日本が有する人・モノ・カネの経営資源を集中投資すること。それにより、これら産業に携わる人々の数とその収入を増やし、安定した最終消費を確保することで、家電や自動車など従来の産業の適切な規模も維持しつつ、お金が自立して回る仕組みを作りあげることこそが目下の経済政策の勘所なのだ。

 没落する産業にいくら金をつぎ込んでも、借金が増え財政危機が深刻になるだけで経済が自立的に発展する望みははない。いわんや、頼みの最終消費に冷水を浴びせる消費税など論外、ましてまして「輪転機をグルグル」なんて悪すぎるふざけた冗談は、これっきりにして欲しいのだ。

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最終更新日  2012年12月20日 11時53分34秒
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