●観てきました、やっと、『不都合な真実』●
この週末、やっと…というか、『不都合な真実』を観ることが出来ました。地球温暖化防止活動推進センター関係の催しで、一般公開前の昨年から観る機会は何度かあったのですが(しかもタダで…)、いずれのチャンスもチョー多忙で見逃し、となれば一般公開で観るべし…と思っていたら、和歌山では封切り上映なし…、ということで半ばあきらめかけていたところ、たまたま、これを上映しているTOHO泉北シネマの近所に用事ができたついでで、お目にかかることが出来ました。で、感想…ですが、ぜひ多くの人に観て欲しい。大統領選挙に負けたアル・ゴアの、まあ、ヒマつぶし…なんて意地悪な先入観も正直、多少なくはなかったのですけれど、さすがは地球温暖化問題の草分けの一人。豊富なデータを駆使してくっきりと問題の本質を浮き彫りにする優れた仕上がりでした。ゴアさん、当時に比べかなりふくよかにおなりですが、あの京都議定書を沈没の瀬戸際から救い出したときの颯爽とした格好良さ、健在でしたねえ。映画は、ゴアさんがすでに1000回以上行ったというスライドを交えた地球温暖化についての講演に、適宜彼の人生の分岐点となった数々のエピソードの回想を交えて展開します。もちろん、あの米国政府とフロリダ州知事と最高裁合作のインチキくさい大統領選挙のシーンも… 歴史にIFはありませんが、…もし、あのときゴアが米国大統領になっていたら… やはり、世界の状況は今とは多少違っていたしょう。考えても詮無いこととは思いますが…問題の重要性、緊急性は明らかだ。だが、それをどれだけ訴えても世界では何の変化も見えず、我知らず焦燥がわき上がってくる。それに苛立つゴアさんの一シーンがあるのですが、これには深く共感しました。…だが絶望してはいけない。一般的な地球温暖化の解説や啓発にとどまらず、そこまで掘り下げて問題を提起しているところにこの映画の真骨頂があります。本当の戦いはこれからなのです。なのに、戦わず絶望に逃避するのは愚かなことです。…にしても、和歌山の人がこの映画を観ようと思ったら、一番近いのがこの堺市泉北地区の映画館、その次は梅田で、大都市大阪でもこの二館でしか上映していない。ん~、その程度なのですねえ、相変わらず程度の低いハリウッド映画はあちこちで懸かってるというのに。(とはいえ、最近は邦画やアジアの映画が元気(中国映画の『墨攻』は良かった、『それでも僕はやってない』も佳作でした)で、ハリウッドに勢いがないそうですね。まあ、あの押しつけがましい薄っぺらなヒューマニズムと唯我独尊のヒロイズム、もちろん例外もありましたけれど、大半は元々とてもじゃないがオトナの鑑賞に堪えられない子供だましだったもんねえ…、他に観るモノがなければともかく、まともな映画が出てきたら見捨てられて当然だと思います。)ともあれ、和歌山では幸い、和歌山市内の一館が封切りから三ヶ月遅れではありますけれど、4月21日から一週間、劇場公開してくれることになったのは朗報です。しかし、これで果たしてどれだけの人が観てくれるかなあ… 現状のままでは鑑賞機会がない紀南地方での上映など、少しでも幅広い人々に観てもらえるよう、なんらかの仕掛けを考えてみてもいいかもしれません。