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テーマ:映画ニュース(1424)
カテゴリ:シネマ雑感
ネット上で散々物議を醸し、このブログでもチラリと触れたが、戸田奈津子の誤訳の話題が週間新潮で取り上げられている。4月27日発売のワイド特集で『また「誤訳騒ぎ」だよ「字幕の女王」戸田奈津子』のタイトルで掲載されている。「映画オペラ座の怪人」における彼女の翻訳にあまりに誤りが多く、その結果作品の魅力を半減しているとして、コアなファンがネット上で意見交換しているうちに署名運動にまで発展、505名のネット署名が、同作品の配給会社「ギャガ・コミュニケーションズ」と、DVDの販売元であるアーティスト・フィルム両社にメールで送られた。
⇒送られた全文 詳細は「オペラ座の怪人字幕検討委員会」のサイトをご覧いただくとして、結論からいうと配給元のギャガからは音沙汰なし、DVDの販売元からは謝罪と字幕修正を行なう旨の返答を電話で(!)受け取ったとのことだ。 戸田女史に係るこの手の騒ぎは、「ロードオブザリング」の時にもあったらしい。「ロード…」に何一つ思い入れがない僕は気にもしてなかったが、メルヘン映画のディープなファンからは戸田憎しの心の叫びが聞こえてくるような騒ぎ。当の本人はどう感じているのか。新潮によれば「あら、そう。知らなかったわ」と知ってか知らずか他人事の様子で、映画の翻訳とは字数やその他の制限があるためある程度の意訳は必要なのよ、とサバサバした調子で一般論で答えたそうだ。そんなことは誰でも知ってる。オペラ座の誤訳はそうした範疇をはるかに超えているから問題になってるのにね。 僕程度の英語力でも時々おかしいと感じる洋画の翻訳。今は英語が話せる若い人も増えてきて、字幕なしで見る人もいるくらいだから、この手の問題はこれからもきっと起こるだろう。それにしてもなぜ、あれほど多くの作品が戸田女史によって翻訳されているのだろうか。「字幕の女王」と言ったってようは訳すだけだろう。もちろん作品の奥にある歴史や文化的背景の習熟、字数制限など翻訳としての特性はあるが、最終的には訳すという作業。これだけ英語が普及した今、どうしても彼女にしかできない仕事とは到底思えない。素人にまかせろとは言わないが、翻訳家というのはそんなに人手が不足してるものなのか。 仕事であるから当然にコネクションが機能するだろうし、それもプロの実力の一つだとは思うが、それだけで彼女が大量の作品を独占し、忙しさからやっつけ仕事でこなした結果、本来感受できるはずの感動を味わうことができないのだとしたら、最終的な被害者は1800円も出して見に来ている我々観客である。 人気blogランキング←よろしければクリックをお願い致します お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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