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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2006年07月26日
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カテゴリ:アート
六本木一丁目、泉ガーデンのエレベーターを登ると、今年初め
ての蝉しぐれが聞こえました。大倉集古館に着いたのが午後3
時50分。てっきり5時まで開館だと思っていたら、4時半閉
館ということで少々あわてました。

1階では、江戸時代の絵巻「虫太平記絵巻」が面白かった。合
戦の絵巻なのだが、緑や青の顔(おまけに隈取までしている)
の武将の頭には、兜の代わりに何と、さまざまな虫や小動物が
載っているのです。ちょうど三の丸尚蔵館で展示されている若
冲の「池辺群虫図」に描かれているものと同じです。かまきり、
蜘蛛、バッタ、ヘビ、ナメクジ、ムカデ・・・などのオンパレ
ード。かなり気持ち悪いのですが、実はこういうの大好きなの
です。

虫が人間を乗っ取って操作するというSF映画を思い起こしま
す。昔から人の身体の中には虫が住んでいるという考えはあり
ました。病気も体内の虫が引き起こすと信じられていました。
合戦などの「異常」行動も、身体の中の虫が引き起こすのだと
いう解釈でしょうか。

2階では、本展覧会のテーマにもなっている「随身庭騎絵巻」。
絵巻の本の一部分しか開かれていませんでしたが、馬にしろ、
人にしろ、細い洒脱な墨の線が魅力的でした。

若冲の「乗興舟」。もっと知りたい伊藤若冲にも紹介されていた
作品。以前、千葉市立美術館で見たものと違う摺り。真っ暗な
闇夜にほんのりと流れる淀川。これも巻物になっており、一部
分のみの展示。白と黒の不思議な空間が繰り広げられています。


下村観山の「維摩黙然」。文殊菩薩と維摩居士の問答の一場面。「男」
がテーマの展覧会ですが、維摩居士よりも横の侍女のなまめかしさ、
あでやかさに目を奪われてしまいます。

維摩黙然.jpg

桃山時代の「寒山拾得図」。二人の異様なたたずまい。一瞬、
蕭白の作品かと思ったくらい、奇をてらった作品。ぎざぎざの衣服の
りんかく線と星髪の毛の対比も面白いものでした。






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最終更新日  2006年07月26日 20時50分31秒
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