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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2007年01月03日
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カテゴリ:アート
クロッシング1.jpg

昨年、美術ブログの中でかなり絶賛されていた展覧会。行こう
かどうか迷いましたが、会期も終わりに近づいたので、えいや
ぁっと出かけることにしました。タイトルも正月らしくていい
ですし。一昨年は、ここで、やはりノーチェックの杉本博司展
にグサッときたので、今回もという期待がありました。

ヴィデオ・アート作品15本。
最初の「クロッシング」がいちばん面白かったです。一枚の画
面の両面に投影された一人の男。それぞれ後方から歩いてきて、
片方は火におおわれ焼失し、もう片方は頭上から滝のように落
ちてくる水にくるまれて、消失してしまいます。

クロッシング2.jpg

上から落ちてくる水にのまれる男は、わずかに手を広げて、上
昇しているように感じました。イエスの昇天のように思えまし
た。火にのまれる男は、火が下から上に向かっているので、逆
に男は落下しているように思えます。天国と地獄、善と悪など
相反するものを象徴しているように感じました。そして、それ
らは実は表裏一体なんだよと訴えているかのようです。同時に、
それぞれの面のラストに水や火にくるまれるシーンはカタルシ
スを感じることができました。

ザザッとした映像と大きな音でびっくり箱のように驚かされる
「ストッピング・マインド」や、いろいろな国籍の男女の集団
に、膨大な量の水が押し寄せ流されるという「ラフト/漂流」も
面白いものでした。

多くの人々が、こちらを見て、不快・憐憫・同情などの表情を
しながら去っていく「オブザーヴァンス/見つめる」などは、見
ているはずの自分がいつか見られている存在になっていて、と
てつもなく不安な気持ちになりました。そして、画面の人々の
感情を注意深く読みとろうと努力していることに気づきました。
日常的な人間関係の中でも、常に相手の気持ちを考える訓練を
しなくてはならないと考えさせられました。

このように、面白いものもあったのですが、ほとんど動きがな
く、「ナンだこれは!」と思えるもの、見るのに忍耐や苦痛を感
じる作品もいくつかありました。

最後の「ミレニアムの5天使」も確かに突然、大音響とともに
天使が出現するというのは、面白かったのですが、どうも天使
たちが土左衛門のように思えて仕方なかったです。

(展覧会は1月8日まで。)

東京タワー.jpg





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最終更新日  2007年01月04日 06時13分54秒
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