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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2007年06月02日
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カテゴリ:アート
アートで候.jpg

美術ブロガーの皆さんお勧めの「アートで候」に出かけてきた。
ここは会期中無休なのが嬉しい。月曜日のため、会場はガラガ
ラであった。

会田誠、山口晃というふたりの現代アーティストの作品をはじ
めて見た。

まず会田誠。
「あぜ道」。セーラー服姿のお下げの少女の髪の毛の分け目が
田んぼのあぜ道に続く、コミカルな構図。実際に眺めるとほつ
れ毛や襟足の様子が丹念に描き込まれていた。

「大山椒魚」は、実際に眺めるとこんなに大きい絵だったのか
と驚く。少女ばかりがジューサーミキサーにかけられてしまう
地獄模様には、衝撃を受ける。山や川に関連する名札をつけた
スクール水着の少女たちを滝に配した「滝の絵」も面白い。

ただ、この画家のことは良く知らないが、そのロリコン趣味な
傾向は、うちの業界では、NGだ。倫理と好奇心の間で揺らめ
くが、基本的には認めることのできない画家。共感できる作品
もあるのだが、このアーティストの持つ「毒」には、引っかか
るものがある。世代の相違ということにしておこう。

その点、山口晃は安心して、彼の持つ世界を楽しめる。四天王
像の4枚の絵など「今」の時代の仏画として、格段に素晴らし
い作品だと思う。渡海文殊も同様。

東京圖や百貨店圖など、江戸の昔と現在が交錯する多くの作品
も、共感できる。六本木ヒルズ界隈や日本橋三越の細密に描か
れた屏風絵。洛中洛外図屏風を眺めるようにじっくり見ると、
あちこち楽しい場面の発見もあってスリリング。「ウォーリーを
探せ」や「旅の絵本」に嵌まった自分にとって、山口晃に出会
えたことは嬉しい発見だ。

2階の茶室はパロディと理解したが、華美を廃して、ギリギリ
まで切り詰めるという利休の精神を反映させると、現代ではこ
んな茶室になるのかと驚愕。近所のホームセンターで、小学生
が購入してきたような安価なベニヤやプラスチックの建材で作
られた茶室。利休のやったことは、当時ではこんな感覚で見ら
れたのだろうか。

いろいろな意味で楽しめた展覧会であった。(5/28鑑賞)





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最終更新日  2007年06月03日 11時27分15秒
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