カテゴリ:アート
明治初めの錦絵新聞。今で言えば、写真週刊誌の1ページとい った感じのものでしょう。「東京日々新聞」は芳幾、そして、「郵 便報知新聞」は、芳年の浮世絵。歌川国芳門下の兄弟弟子の対 決です。 どちらも、殺人とか強盗とかの犯罪場面が多いのは、今も昔も 同じこと。いかにショッキングに残虐に伝えるかということに 主眼を置くのでしょう。芳幾もそうですが、やはり芳年の描く 作品は凄まじいです。 追いはぎにあった旅人夫婦が木に吊るされ、狼が足を喰いちぎ るなんて場面、「血まみれ芳年」の面目躍如といったところ。 スプラッター映画真っ青です。 もちろん残虐な記事だけでなく、啓蒙的な記事とか時事問題を 扱ったりした記事なども多数で、明治のはじめの雰囲気ってこ んなものだったのかと想像しました。 後年の「月百姿」の情緒たっぷりな芳年と比べ、おどろおどろ しさに溢れた作品の数々でした。 定価3,990円のところ、この美術館のみ2,800円で売っている 書籍、「文明開化の錦絵新聞」を片手に回れば、描かれている事件 のシチュエーションが理解できます。(私は立ち読みならぬ座り 読みをしただけでしたが。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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