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つまずく石も縁の端くれ

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2008年07月06日
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カテゴリ:アート
いい展覧会だった。「フランス~」に比べると「ロシア~」は
ずっとマイナーで、パスしてもいいかと思っていたく
らいだったのだが、見て大正解。見なきゃ大損だった
ろう。

なぜ「青春の」というタイトルがついているのかは、
ロシアの美術史に詳しくないので分からないのだが、
ロシア革命前後のエネルギッシュなアートシーンを指
しているのかもしれない。

とにかく、この展覧会の作品すべて、非常に色彩が豊
かなのだ。鮮やかな色彩に心が弾むと同時にどこか懐
かしい雰囲気の絵が並ぶ。そのノスタルジーが「青春」
なのかとふと思う。

名前を知っている画家はシャガールやピロスマニくら
いなのだが、このふたりの作品はいちだんと素晴らし
い。特にピロスマニの絵を観ることができたのがいち
ばんの収穫。

ピロスマニは、「百万本のバラ」のロマンチックな唄の
モデルになったグルジアの国民的画家。学生時代、岩
波ホールに通っていたころ、この映画を見た記憶があ
る。(余談ながら、ネットで検索したら、この映画、つ
い最近、BSで放送されていたことを知った~見逃して
残念。ただ惑星ソラリスが来週放送される!)

ルソー同様、素朴派の画家。暗い背景に白い顔の男女。
そして、優しい動物たち。10枚ものピロスマニの絵
を観ることができて嬉しい。ピロスマニの名前が冠さ
れたワインまで売っていた。甘口だということで買わ
なかったが。

家族.jpg

シャガールの絵は3枚しかないが、キュビズムタッチ
で描かれた「家族」は、夫婦が一体化した幻想的な作
品。このころのシャガールのキュビズム作品は面白い。

もうひとり、マレーヴィチを知ったのも大収穫。ネオ・
プリミティブ→立体未来派→スプレマティズムと画風
を変えていったロシアの画家。(ちなみに作品リストに
は、それぞれの語句の説明や、年表も記載されていて、
丁寧で分かりやすい。)

難しい絵画理論は横に置いても、「農婦、1913年の
モティーフ」などの絵を見ていると、抽象的でもある
が、どこか懐かしさで胸がいっぱいになる。

この画家、一世を風靡しながら、海外に出ず、ロシア
に残ったために、スターリンの大粛清後、最後は測量
技師として具象画を描きながら、ひっそりと死んでい
ったそうだ。しかしながら、最後に展示されていた
「芸術家の妻の肖像」は美しい。

そのほか、ドミートリエフの「サーカス」の絵にはハ
ッとなった。踊り子と馬に乗る曲芸師?諸星大二郎の
絵にそっくりではないか。

「アエリータ」という1,924年製作のSF映画のワン
シーンも上映されていたが、これも面白い。当時の大
都会の映像が近未来都市として描かれている。

作品数はさほど多くないが、大満足の展覧会。日曜午後の
せいか、お客さんもそこそこの入りだった。





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最終更新日  2008年07月06日 23時16分54秒
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