カテゴリ:読書
新書版であるにもかかわらず、カラー写真満載の 浮世絵の入門書としては、実によくできた本である。 内容については、すでにこちらで、詳しく紹介 されていので、参照されたい。 特に興味深く読んだのは、浮世絵の購買層と値段に ついて書かれた部分と、各種の摺りの技法の紹介 の部分。 浮世絵は江戸の庶民から武家まで、幅広く買われ ており、地方の人の江戸土産でもあったということ。 現在の値段に換算して数百円くらいのものであったこと。 また、同じ芳年の絵を引き合いにして、正面摺の 技法を紹介しているところなど、まことに、 わかりやすい、つぼを得た解説となっている。 著者は、浮世絵は美術館で見るものでなく、実際に 自分の手で取って鑑賞することが必要だと述べて いる。 そうすれば、江戸時代の人々と同じように浮世絵を 眺めることができ、摺りの各種技法も楽しめるの だろうが、そのような見方はしたことがないし、 実際にはなかなか難しいだろう。 まだまだ1万円以下で買える浮世絵もあるとの ことだが、そこまで、コレクションしようとは 思わないし、そんな値段では、著名絵師の作品を 買うことは到底できない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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