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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2009年03月08日
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カテゴリ:アート
土門.jpg
memeさんのブログで知った展覧会。これは奈良
から戻ったら真っ先に行こうと思っていた。
入江→土門って、いい流れだ。

室生寺のコーナーから始まる。先週末、この寺に
出かけたとき、弥勒堂の国宝「釈迦如来座像」に
さほど感動しなかったのだが、土門拳の写真を
見て、「おまえは何を見ていたのだ」とガンと
叱られたように感じた。

クローズアップされた釈迦如来の写真。胸や足の
裏の年輪。衣の堀の切れ味の美しさなど木の魅力で
満ち溢れている。特に足の裏には驚いた。仏の
三十二相のひとつ千輻輪相のように年輪が表現
しているのだ。すっきりとした鼻、きりっとした目。
右手の縵網相もよく分かった。

仏像は、これだけ大きく伸ばされた写真を見ると
多くの発見がある。書籍の写真では分からない
ことが多い。実物を見ても然り。

法隆寺夢殿の救世観音。まだ実物は見たことが
ないので、本で見ている限り、神秘的な顔をして
いるとばかり思っていた。しかしこの展覧会での
写真を見ると、観音のほほ笑みは神秘的というより、
人間的であった。普通のおっさんがニタァと
笑っているように思えてならない。

さて、仏像以外の写真。昭和11年の浅草。今も
昔も変わらない、立ち飲み屋の風情。横須賀海兵団の
一糸乱れぬ秩序正しい美しさ。(ただし自分では
できないし、やりたくもない。)赤十字看護婦の
出征には涙が誘われる。

子どもたちの写真は大好きだ。ちょうど、今定年
退職する団塊の世代の子ども時代。みんなおじさん、
おばさんになってしまった。(ああ、自分も~)

弁当を持ってこれない筑豊の子ども。じっと本を
読んでいる姿に泣ける。ヒロシマはいつ見ても
衝撃的だ。

職人の手のクローズアップ。ただの手が何故
こんなに美しいのだろう。

藤田嗣治のカウボーイ姿の写真。戦時中、こんな
恰好を発表されて大丈夫だったのか?

最後に画家になりたかったという土門の油絵が
ある。黄色い洋服が美しい女性像。ひたいの盛り
上がりが印象的なモディリアニ風の絵。画家に
なってもきっと大家になったことだろう。





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最終更新日  2009年03月09日 04時46分57秒
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