カテゴリ:アート
イタリアルネサンスからバロック・ロココと絵画の流れを
楽しめる好企画。宗教画、風俗画、静物画、肖像画・・・ など幅広いタイプの絵がある。 宗教画は特にキリストの生涯を知らなくても、ドラマチック で、いつ見ても楽しめる。同じ構図が多くの画家によって 繰り返し描かれるため、何となく頭に入っている。 今回の目玉は「ボッティテェリの聖母子」。 天使が幼子イエスをマリアに押し上げている。こういう 構図はあまり覚えていない。マリアの衣装や背景が、のちの どぎつい赤と青ではなく、柔らかな色合いなのがよい。 (これは退色しているのかもしれない。) 足元の地の表現。多くの色彩が使われ、ざわざわ、もわもわ しているのが印象に残った。 ルカ・ジョルダーノ 聖セバスティアヌスの殉教 闇の中に輝く白い肉体。といっても、殉教シーンなので、 死にゆく姿なんだけれども、苦痛に耐え、涙を流している ところなど、実にリアルであり感動的である。当時の人々は きっと、この絵を前にして涙したことだろう。 サンティ・ディ・ティート 子供時代 一瞬、赤い服を着た子どもが宙に浮かんでいるように見えた。 両手を広げ、蝶を追いかける少女。左手に持っている小鳥は おもちゃか実物か。あまりにも可愛いので絵ハガキを買って しまった。 ベネデット・ルティ 難破船を救う聖カタリナ スパーマンも真っ青の聖カタリナの活躍。修道女の格好で 宙を舞い、船の帆柱を支える。自由自在に空を飛ぶ映像 シーンが頭に思い浮かぶ。これぞまさしく幻想絵画。 ジュゼッペ・レッコ帰属 亀と魚のある静物 静物画も好きな分野。本来はヴァニタス絵画がお気に入り なのだが、今回はイタリア美術ということで、表現もかなり ハデハデな作品が多い。 この絵もはっきり言ってグロい。ウミヘビらしきもの、亀の 腹、はみ出した内臓のようなもの。ヌメヌメ感が絵全体から 伝わる。でも、けっこう好み。 ナポレオンは、好きではないのだが、デスマスクだけは、 じっくり眺めた。絵画や彫刻と違って、いちばんリアルな 表現手段だ。死が永遠に残るという不思議。 あちこち巡回してきて、やっと東京にたどりついた展覧会。 この秋の展覧会の中であまり話題にならないが、見応え じゅうぶんである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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