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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2009年10月03日
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カテゴリ:アート
恵比寿駅から駒沢通りを六本木方向に10分歩くと
新しい山種美術館にたどりつく。途中、螺旋階段の
歩道橋で一瞬、方向感覚が麻痺したり、巨大なダビデ像に
ぎょっとしたり、行きははじめての土地なので、ずいぶんと
時間がかかったように思えた。これからは、何度となく
通うようになるのだろう。

今度の美術館は自社ビルなのだろう。一階のエントランスには
加山又造の鶴の陶板壁画。美術館は、この壁画の下の階段を
降りた地階にあった。確かに九段にあった頃よりも広いが
逆に地下にある閉塞感も覚えてしまう。

さて、速水御舟展。何度も旧美術館で眺めたことがあるもの
が大部分。それでもこの美術館の御舟コレクションはすごいと
改めて感じる。代表作品のほとんどを所有しているのだから。

さて、最初にである御舟19歳の作品「錦木」。一見、大観の
作品かとも思う。若い御舟は大観の影響を受けていたことが
よく分かる。男の着物の胡粉の白さが目に滲みる。
世阿弥の能を題材にしたということで、調べてみるとこれは
男の幽霊なのだそうだ。

作風もどんどん変わっていって、今村紫江の影響を受け
群青中毒にかかったころの「山科秋」を見る。目に鮮やかな
青が素敵。このあたりの御舟も好きである。

炎舞.jpg

大観が激怒した「京の舞妓」のような写実の極みの頃の
作品はないが、のちの「炎舞」に辿り着く。
この絵も何度も見ているが、今回は、この紅蓮の炎に
すべての煩悩を焼き尽くしてほしいという「祈り」を
込めながらじっと眺める。

「翠苔緑芝」では、琳派に。「名樹散椿」ではキュビズムに。
画風を大きく変えながら、感動的な名作を発表していく御舟。

「名樹散椿」と同年に描かれた「紅梅・白梅」の掛け軸がいい。
梅の直線的な枝の凛とした雰囲気が、潔さを感じさせる。
正しい道を歩む者のみに美(花)が咲く。そんな思いを抱いた。





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最終更新日  2009年10月05日 08時18分08秒
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