カテゴリ:アート
アンコール遺跡群の神像や仏像は、東南アジアにおける ギリシア美術と言われていることをこの展覧会で知った。 大部分の像の肩、背中、お尻など、身体つきは、すべて 柔らかな曲線で構成されており、モチモチッとした 美しさを感じられるものばかりであった。 砂岩で作られているものが多く、それも柔らかさを感じ させられるのであろう。 上野で見たチベットの仏像の奇怪さ・シュールさに 比べると人間の美、生命の美をを追求したようなものが 多く、なるほど、ギリシア彫刻と似ているなと感じた。 メモを取らずに眺めていたので、個々の像の名前は 忘れてしまったが、柔和な顔つきも、人間らしくて 微笑ましかった。 何よりも印象に残っているのは、会場で放映されていた 上智大学アンコール遺跡国際調査団の上智大学学長石澤 先生のビデオである。 アンコールワットの魅力に取りつかれた石澤先生が、内戦 終了後、カンボジアに戻った際には、一緒に研究したほと んどの学者たちが殺されていたという事実は衝撃的であった。 キリング・フィールドの舞台だったという恐ろしい事実と それぞれの仏たちの美しさのアンバランスに戸惑い、人間の 愚かしさ、業の深さを思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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