カテゴリ:アート
前期の明治吉原細見記のコーナーがそっくり入れ替わり、 絶筆の「街角」やデフォルメされた独特の女性像など、 最晩年の絵が展示されていた。 このコーナーでは、あのの取りつかれたような瞽女の 強烈な赤色は赤色は影をひそめて、シックな色遣いの 作品に変っている。 私が、斎藤真一の絵に惹きつけられるのは、決して 心地よいモチーフではないのだが、そこに塗り込められた 人間の情念、哀愁といったものが、心を揺さぶるから である。 ずいぶんと昔のこと、天童の斎藤真一心の美術館に 出かけて、私は、はじめてこの画家の作品に出会った。 その直前に、「めでためでたの若松さまよ」という 花笠音頭で有名な若松寺に立ち寄り、むかさり絵馬を見て 強い衝撃を受け、フラフラとしているところに、斎藤 真一の瞽女たちの絵に追い打ちをかけられた。 むかさり絵馬は、若くして亡くなり結婚できなかった 子どものために、親が結婚式の光景を絵馬にして奉納 したものだ。 孤独、悲哀、哀愁・・・そんな言葉がぴったりと当て はまるのが斎藤真一の作品である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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