オルファとエヌティー
カッターナイフといえばオルファとNTだ。とにかくあちこちで見かけるカッターナイフ発明秘話によると、オルファの創業者岡田良男が刃を折るというアイディアを思いついて開発し、折る歯→OLHA→OLFAというブランドで販売、ということになっている。このことはオルファのホームページにもうっとおしいflashで掲載されている。ところで、エヌティーのページでは、1959年・昭和34年 特許NTカッターを開発。"シャープナイフ"発売。世界初、シャープナイフ(現在名、カッターナイフ)の商品化に成功となっていて、読みようによっては「うちが世界初のカッターナイフを作った」と読める。オルファへの言及は無し。そして、オルファのページにある例の開発史に出てくる初期の製品のイラストと、エヌティーのページに出てくる最初の製品(シャープナイフ)はそっくりだ。オルファの例のflashでは、商品が売れ始めると資金難になり、知り合いの企業に協力してもらったが、昭和42年に経営方針の違いからその企業と別れ、岡田商会改め岡田工業を設立し、オルファブランドを付けたとなっている。ひょっとして、岡田商会が初期にカッターの製造を委託していたのがエヌティーで、それが「別れた協力会社」なのだろうか。そもそもカッターナイフのアイデアのきっかけになった逸話が両社のページに載っているのだが、これが微妙に似ている。どちらも印刷所で紙を切るときの刃物の工夫から来ていることになっているが、オルファでは、昔の職人がガラスのかけらで紙を切り、切れなくなるとさらにガラスを割って使っていたということから着想している事になっており、エヌティーでは職人が剃刀の刃を折って使っていたことからとなっている。半端に似たエピソードなのが気になる。真実はどうなんだ?ところで、少なくとも関東で文房具屋等で見かけるカッターはNTの方が多い気がする。NTの方が100~200円の製品ラインナップが豊富なので、文房具屋やスーパー、コンビニでぶら下げ売りするのに向いているっぽい。頑張れオルファ。あと、安いやつでも黄色にこだわれ。それがオルファのアイデンティティーなんだから。