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2011.08.13
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Honjo Fukagawa Nanafushigi.jpeg
2007年10月以来の再読
大人向けの『日本むかしばなし』なんだなぁ。
昔話では子供に何らかの教訓、道徳、倫理といったものを分りやすく提示してくれるもの。
この本は作者が女性だけあって、『女の性質』というものを提示してくれている。
『片葉の芦』でのお美津は男からすれば薄情な女に映るけれど、女からすればそんなものでしょう。
過去の出来事なんていうものは忘れ去っていくものなんだろう。

『馬鹿囃子』のお吉、とても可哀想な運命に翻弄されてしまっている女性だ。
だが、実生活でこういう女性が身の回りにいた場合、私もこの物語に登場する大多数の男と同じような目でしか彼女を見れないだろう。
これは高校生の頃などを思い合わせると、とても分りやすい。
クラスにいる少し変わった女性に対して、フラットな姿勢で接することはとてもリスキーである。
『あんな子になんでお前はフツウに接するのか?』という揶揄が大多数の友人・知人から浴びせられ、自分自身が変わったヤツという位置づけに変化する。
そうなれば必然として仲間はずれという制裁が課せられるから。
なんと男は残酷な生き物だろうと、今になって高校生の頃の自分を思い返して自己嫌悪に陥る。
しかし、それは高校生の頃だけでなく今も継続しているのかもしれない。
自分の中に眠る、というか表に出てこない残虐性を掘り返されているようで、心に痛い物語である。

何年か先にまた読み返すことになるだろう。
それほどにこの七つの物語は普遍的な人間の美しさ・愚かさを読者の目の前にポンと用意してくれている。








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最終更新日  2011.08.13 14:45:19
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