214423 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

佐遊李葉  -さゆりば-

佐遊李葉 -さゆりば-

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

vyゆりyv

vyゆりyv

カレンダー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(0)

露野

(129)

心あひの風

(63)

孤舟

(59)

かるかや

(68)

蒼鬼

(253)

光明遍照

(53)

山吹の井戸

(52)

きりぎりす

(217)

遠き波音

(50)

羅刹

(193)

コメント新着

vyゆりyv@ Re[1]:羅刹 -193-(10/05) 千菊丸2151さん いつもお読みいただいて…
千菊丸2151@ Re:羅刹 -193-(10/05) 是非このブログを残してください。 ゆり様…
vyゆりyv@ Re[1]:羅刹 -192-(09/14) 千菊丸2151さん だらだら更新に最後まで…
千菊丸2151@ Re:羅刹 -192-(09/14) 漸く完結しましたね。 ちょっと後味が悪い…
vyゆりyv@ Re[1]:羅刹 -190-(09/08) 千菊丸2151さん 花山院皇女は惚れた弱み(…

サイド自由欄

QLOOKアクセス解析
2014年02月14日
XML
カテゴリ:遠き波音
 吉祥は身じろぎもせず、じっと近江守の顔を見守っていた。

 だが、その瞳には何の表情もなく、まるで底なしの深い淵のようだった。

 近江守は吉祥の耳元へ顔を寄せながら続ける。

「だから、そなたが兵衛佐と結婚した時は切なかった。その後、そなたの屋敷に多くの男が通っていることを知った時は、もっと」

 吉祥はなおもじっと近江守の顔を見つめていた。

 だが、急に立ち上がったかと思うと、側に落ちていた小袖を掴んだ。

 そして、それを身に纏う間ももどかしげに、引きとめようとする近江守を振り切って、寝間を飛び出していったのである。

 夜が明けると、近江守はすぐ郡司を呼び出して、吉祥をつれてくるよう申しつけた。だが、どこを探しても姿が見えないらしい。

 近江守は不安で胸が押しつぶされる思いでじりじりしながら待ったが、三日後にようやくその消息を聞くことができた。

 瀬田唐橋の袂(たもと)の岸辺に、吉祥の遺骸が上がったのだった。


にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
↑よろしかったら、ぽちっとお願いしますm(__)m





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014年02月14日 16時13分00秒
コメント(0) | コメントを書く
[遠き波音] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.