◆保険代理店にもの申す!生命保険の値段?
●生命保険販売の世界の潮流は、どうやら販売代理店に、1社専属から保険各社の乗り合いを進める方向に向かっているらしい。●これは日本でも同様で乗り合い代理店は増加した。だが・・・さらに一歩進んだのが、乗り合い代理店が保険会社から販売手数料を受け取るのを禁止して、代わりに助言料を契約者から受け取る仕組みだ。これは今年1月からの英国の取り組みで、金融先進国らしい。●この動き、乗り合い代理店の形式をとりながらも、実は手数料の高い保険の販売に誘導することが、仕組み上避けられないこともある。もっとも 手数料が高いことが商品内容が劣るとは言えないのだが。・・・・保険販売に25年近くたずさわった立場から言わせてもらえば、難しいところなんだよね?●米国・NY州も2年前から、顧客から求められた場合という条件付ながら、販売手数料の開示を義務付けているらしい。●日本でも長らく、生命保険販売は、保険会社の収益構造が開示されないままなされてきた。株式組織が少なく相互会社形態をとっていたことが大きいからだ。●最近、インターネット専業のライフネット生命が脚光を浴びているが、画期的だったことは 保険サービスの内訳を公開したことだ。保険各社は大数の法則といって、一定規模以上の契約者があれば、保険料収入と支払い保険金・給付金は、ここ重要なのだが、自らの人件費や店舗コストを差し引いた残りで、均衡するように設計してある。●手数料の高い日本の投資信託と似た構造で、自分のコストはあらかじめ確保した上で、残りの運用で契約者の期待に応えましょう・・と言うある意味不遜なスタンスが続いていたわけだ。上手くいかない場合は契約者に負担してもらいますと言う姿勢だね。●したがって 人件費や店舗コストは工夫すれば減らせるわけで、当たり前のことなのだが、なかなか人の死に関係する事業ゆえか、対面販売にこだわり日本では普及しなかったわけだ。●同社によれば、30歳の男性が10年の保険期間で3000万円の保険契約をしたとすると保険料は3484円。うち大数の法則から導かれる純保険料は77%の2669円、手数料は23%の815円になるらしい。●同様に 大手生保に当てはめれば、保険料が2倍の7000円となる。純保険料はおおよそ同じだから、手数料が60%4000円超になる計算だ。●このような事実を消費者が聞けば、いかに保険会社から搾取?されていたか一度は疑ってみたくもなるだろう。●業界代表企業の日本生命も、時代の趨勢には逆らえず、特約と死亡保険のセット販売をやめて、いわゆるパーツの組み合わせによる販売戦略に転換した。また医療保険の代表企業アフラックも、保険料を最大25%下げるという。●純保険料は大数の法則から、導かれると書いたが、実際にはある程度の余裕を見込んで保険会社が損をしないように計算してる。つまり、この部分が契約者からの搾取といえばそのとおりだね?この部分を、同社は値引くことで保険料を引き下げるらしい。しかし25%も可能と言われれば、保険会社の営業努力と言えば聞こえは良いものの、一体どこまで搾取されてたか?・・・と疑いたくもなるよね?●今の制度が、あらかじめ所与のものとされて、今までのとおり保険販売にいそしむ・・と言うのは大多数の保険代理店にとっては、もっとも安直なスタンスだろうし、たぶん気が楽だよね?しかし、世界の潮流は確かに変化してきている。それぞれの立場で足元を検証することが求められてるんだろうね?