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2016年02月22日
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■小説「どん底塾の3人」033:1か月に1回の限定弁当
ああ・どん底塾の3人.jpg
 紙袋に弁当を10個入れ、海老原浩二は高層住宅の最上階から販売を開始した。やはり、自動食器洗い乾燥機とは勝手が違った。インターホンを押す。指先が震えた。いきなりドアが開く。若い女性と女の子が、顔をのぞかせている。
「1か月に1回の限定お弁当です。美味しいですから、めし上がってみませんか」
 部屋で練習した通りにいえた。
「お昼はもう用意してあるし、うちは結構です。それにしても、なんで、1か月に1回の限定弁当なの?」
「1度食べてみると、わかります。本当においしいんです」
「いりません」
 ドアが閉められた。空振りだった。結局、最初の棟では、2個売れただけだった。次の棟へ移動するとき、海老原は絶望的な気持ちになっていた。手応えが悪すぎるのだ。 
「いちばん上の弁当は、紙包みを取ってみろ。口でいくらおいしいといっても、現物を見ないことには買おうとは思わないだろう」
 耳の奥で、亀さんの声が聞こえたような気がした。商品見本を作っていなかったことに、海老原はようやく気がついた。
 
 加納百合子は文房具店で、模造紙とマジックインクを購入した。
――1か月1回の美味しい限定弁当。たった1000円 
 予定通り、模造紙を車に張る。団地の広場では、主婦たちがこどもを遊ばせていた。加納はその横を、車をゆっくり走らせた。窓から顔を出して呼びかけたかったが、どうしても勇気がわかなかった。だれひとり寄ってこない。
「主婦が自分のために、1000円弁当を買うか?」
 亀さんの言葉が、よみがえってきた。加納は団地を諦め、商店街へと車を向けた。自分には、営業は向いていない。加納は痛切に、そう思い知らされた。
 小用のために、河川敷の野球場で車を停めた。歓声が聞こえた。トイレから戻ると、車の前にユニフォームを着た男が数人立っていた。
「いやっしゃい。とてもおいしい弁当ですよ」
 赤面しながら、絞り出すように加納が告げる。
「勝利の祝いだ。おれがおごるよ。待望の初勝利なんだから、しばらくはグランドで、その余韻にひたろうや」
 1度に18個が売れた。車座になって弁当を食べている人たちから、「うまい」という声が聞こえてきた。
   
 大河内雄太は予定通り、芝公園のビル群のなかにいた。地周りのヤクザが心配なので、道行く人に小声で呼びかける。ハッチバックの荷台には、弁当が山積にされている。もちろん、見本品も置いてある。
「特別限定の弁当が1000円ですよ。おいしくて、ほっぺが落ちちゃいますよ」
 ビルから出てきたサラリーマンがのぞきこみ、次々に弁当に手を伸ばす。大河内は、好調な出足に満足していた。

※ダントツ営業の知恵
 営業活動のバリューチェーンとは、ターゲティング・アクセス・ディテーリングである。しっかりとしたターゲティングなしには、営業活動ははじまらない。






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最終更新日  2016年02月22日 03時17分38秒
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