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テーマ:好きなクラシック(2295)
カテゴリ: 視聴レポート
実家の両親に「今、ショパンのエチュードを練習しているんだよ」なんて言ってしまったもんだから、後日、父親からポリーニが演奏する「ショパンエチュード集」のCDが送られてきた。あらまぁビックリ、というわけで、お礼の電話を実家にかけたら、母は一言こう言い放った。「あんたぁ、ちょっと無理してない?」
はい、ちょっとどころか、「思いっきり無理してます」、というわけで、なんと嬉しいことにアシュケナージ演奏のエチュード、そしてポリーニ演奏のエチュードの聴き比べが出来ることになってしまった。ポリーニ、そしてアシュケナージの演奏したショパンエチュードはどちらも定評があり、しかも両者は全く異なった切り口でエチュードを弾いているのである。アシュケナージの演奏に耳が慣れてしまった私が、あらためてポリーニ演奏のエチュードを耳にしたとき、それは例えようもない衝撃にうちのめされたといっていい。 ■ウラディーミル・アシュケナージが弾くエチュードは絹のようなしなやかさを感じる (1971,72年録音 デッカ) ショパンエチュードの楽譜と共に購入したのがアシュケナージ演奏のCD。だから私にとってこのアシュケナージ演奏のエチュードがリファレンスである。最初に聴いたとき、「なんて繊細でしなやかなエチュードなのだ」と感動で胸が震えた。情熱と静寂の対比も見事(著名ピアニストに対して見事なんて言葉は失礼だが)、特にピアノッシモで奏でる旋律は耳にとても優しい。これからエチュードを勉強する人にも参考になりやすい、そんな演奏ではないかと感じる。 ■マウリツィオ・ポリーニが弾くエチュードに眩しすぎるダイヤモンドの輝きと堅さを感じた (1972年録音 グラモフォン) 今回新たに聴いたのは、ポリーニが演奏したものである。特にこのエチュードに関しては何かとアシュケナージの演奏と比較されるようだが、これは比較してはいけないのか、と思うほどに、切り口が全く異なったエチュードである。 さぁ、聴くぞ!と再生ボタンを押した途端、いきなり鼓膜に直接響き渡るようなフォルテシモ、しかもF1でも観ているのか、という程の超スピード感と迫力のOp.10-1に、椅子から転げ落ちそうになったではないか。そう、耳に優しいアシュケナージ演奏のエチュードとは全く異なった、強烈でこれでもか!といったパワー派のエチュードなのだ。おまけに高度なテクニック三昧に呆然とするしかない。 そう、それは大ヒット漫画「頭文字D」で池谷先輩が藤原拓海の運転を間近で体験した際に発する「はやすぎて、参考になりません」、この言葉が実に当てはまる。 全体的にかなり堅めな音色も特徴的である。このあたりは人によって「疲れる」という意見もありそうだが、このCDが名盤であることは間違いない。 というわけで、ここのところ、寝床のお供はショパンエチュードのCDなのだが、聴けば聴くほど目が冴えてしまうのは、まぁ仕方あるまい。 最後に定例のピアノ練習メニューを・・・ ---------------------------------------------------- 本日の練習メモ(定例) ●ハノン #28~#33 #28を繰り返し2回、#29-30を続けて繰り返し4回。#32の1-2指運動、更に#33の1-2-3指運動。#32よりも#33の1-2-3指運動の方が楽に弾けたりもするのが少々悔しい。1-2指だけでひたすら弾いていると、やはり指の疲労度が増してしまうようだ。 ●ツェルニー30番 #01~#20 #01~19は、ノーミスで弾ければ1回ずつ。ミスした場合は繰り返し弾いて指慣らし。 #20、テンポは安定してきたため、メトロノーム無しで繰り返し練習。まだ、所々で音ミスがあるため、もうしばらくはこの練習に励もう。 ●バッハインヴェンション #01~#09 #01~#07はノーミスで弾ければ1回ずつ #08、粒が揃わないフレーズを部分的に練習。また、所々で指が焦っている感があるため、心落ち着かせて弾くべし。どうもバッハを弾いていると、気が付けばテンポアップしてしまうのだ。 #09、今日も臨時記号の有無でミスと格闘しながら練習。初回、すんなりいくと思われたのは、かなりゆっくりテンポで弾いたからであろう。複雑トリル部分は頭にたたきんで弾けるようになったため、まぁ良しか! ●ドビュッシー ベルガマスク組曲から「プレリュード」「メヌエット」 プレリュード、昨日に引き続き、音の粒揃えを気にしながら通し練習を何度か。。 メヌエット、弾けば弾くほど気になるのが、ところどころで現れる装飾音。これがサクッときまらないとこの曲の楽しさが半減してしまいそう。というわけで、通し練習とともに装飾音をいかにキメるかを練習。 ●ショパン エチュード Op.10-4 頑張れ「20小節」週間の効果も少しずつではあるが出てきているようだ。運指は問題ないが、あとはいかに凛とした音をならすかである。が、これがなかなか難しいのだ。 さて、次は「もっと頑張れ第27小節~46小節」週間、いや、これは月間単位になりそうな予感。特に後半の第41小節目~46小節の音階とアルペジオの混合部分、やはりこれは厄介な存在。本日は、左手のみの練習だ。すると、両手弾きでは気づかなかった粗が続々と出てくる。最初に片手弾き練習をしたはずなのだが、ある程度音符の進行が把握できてしまうと、適当に弾いてしまうのか、これはいかん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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