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カテゴリ:眼差し
映画『となりのトトロ』の中に広がる田園や森----。 映画を見たとき、ストーリーより映像の中の田園風景と森に目を奪われたものでした。いまは失われてなくなったわたくしの中にしか存在しない田園と森の原風景そのままで、子供の頃、普段はいっしょに過ごせなかった母といっしょに過ごした田舎での夏休み---- 森に入ると昼でも暗くてひんやりしていて、 湧き水で喉を潤し流れる小川を飛び越えて散々森の中で遊び、時には道に迷って夕方になると森は真っ暗になり、闇の怖さを抜け出して里に降りたときに目にした家々の灯り----、i後年も旅先でそうした灯りを見ると、安堵と郷愁を感じるほど。 よくも無事に育ったものだわと思うほど、時にはかなり危険な冒険を散々させてもらった森、子供心に、森には≪鎮守の神様≫がいらっしゃると畏怖の念を感じて育ったものでした。 「人生に必要なことはみな幼稚園で学んだ」という本がありましたけれど、確かに人間関係の原型の多くはそこで体験すると言えるかもしれませんが、自然の驚くほどの豊かさ、神々しいまでの輝き、そして恐ろしさを通して学んだことは、それ以上かもしれません。 そうした田園と森での日々、山や川のある土地の風景、何て豊かで輝いていたことか---- 宮崎駿監督が、そうした日本の原風景への旅を始められたとき、 その作品を構想された森が首都近郊にあるということで、当時、小さかった息子を連れて行ってこようと思ったものでした。 その淵が森に宅地建設の計画が持ち上がって以来、宮崎駿監督をはじめとして多くの方たちがその土地を保全するための募金に協力され(わたくしも小額で微力ながら協力させていただきましたけれど---)一定額を寄付、今期の自治体での決定に注目が集まっていました。 東村山市議会は、その森の保全のために地権者から土地を買い取るために7300万円という補正予算を可決。寄付された2500万円などと合わせ淵が森を公有地とすることを決議。 市議会の方たちのご見識に安堵したわたくし。 地球温暖化での異常気象現象や自然保全での恩恵への理解が進んでいる現在、 むやみやたらな開発での弊害を直視し、豊かな自然を破壊すして得られるものよりも、 そうした恵まれた自然を保持し共生することを選択されたわけです。 この決断を下した東村山市議会と市民の皆さんの選択に、 こころから拍手を送りたいと思います。 委細は、こちらのサイト、淵が森保全連絡協議会 でご覧いただけますので、ご紹介させていただきますね。 宮崎駿監督が、この報を受けて 淵が森への思いを取材の中で語っていらしたとき、 「神様に上げた土地」 と語っていらしたけれど、 そういった発想の中に、 なくしてはならないものは、なくしてはならないのだという思い、 なくしてしまったら二度と取り戻せないものへの思い、 失われたものに対する祈りにも似た思い、 そうしたものが込められていたのでしょうね---- 鎮守の森に鎮座される主の、 声なき声を聞きに出かけたくなりました。 ここのところ、貼り付け忘れていました。 ブログランキングへの参加バナーです。 よろしかったら、ポチッ、ご支援の程を♪ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 18, 2007 02:37:58 AM
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