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カテゴリ:眼差し
(今日の青葉通り---杜の都のメインストリートの黄葉です。) 久々に来訪して二泊して帰った老親。 いつもなら1週間ほどは滞在するのですが、今回は、 ご近所の一人暮らしのご婦人のために帰りました。 といっても、艶めいたお話ではなく、 そのご婦人は、老親よりもさらに一回り以上もご年配でもうじき90歳。 昨日、手術を受けることになっていて、 父がその病院まで付き添うことになっていたのです。 他に誰もいらっしゃらないからです。 数十年前にご主人を交通事故で亡くされてからは、ずっとお一人暮らし。 わたくしがまだ子供だった頃なので、もう随分昔のことになりますけれど、ご主人といっしょに始められたお店(酒屋さんと煙草屋さん)も繁盛していました。 ご夫婦にはお子さんがいらっしゃらなかったため養女を迎えられたのですけれど、(子供だったわたくしにそういう事情など分かるはずもありませんでしたけれど)よそ目にも本当に仲のよい普通の親子そのものに見えていたほど。 けれど---、 養女の方は恋愛し結婚し他家に嫁いで行かれたんですよね。 ご夫婦は、彼女が家を継いでくれるものとばかり思っていた分、受けた衝撃は大変なものだったようです。他家と同じように結婚式を挙げさせてお孫さんの誕生もとても喜んでいらしたご様子でしたが----、その養女の方、嫁ぎ先で何があったのか、その後離婚されて行方知れずとなって、もう数十年になるでしょうか。もうご縁が切れているそうです。 今回初めて分かったのは、ご婦人のご親戚はほとんど亡くなられ、いま彼女は本当に天涯孤独なお身の上だということでした。 実家の駐車場がいっぱいのとき、ご近所のよしみで、父はそこのお宅の玄関横に駐車させていただくようになっていました。車の乗り降りのたびお声がけをし、何ということのない会話を交わし、時にはおすそ分けをお届けしたり相談事に乗ったりというご近所づきあいですが、祖母が亡くなってから、孝行息子だった父にとってそのご婦人が、どこか祖母に代わって孝行を尽くさせていただくような存在となりつつあるのかもしれません。 無論、ご近所さんとしてのお付き合いですけれど。 今回の入院手術に当たり、わたくしの実家の方でご婦人のお世話させていただくことになったのですけれど、この社会、日本は、やはり血縁社会であり、法的関係のある人間関係が優先される社会でもあるんですよね。 病院から手術までに、「ご家族かご親戚の方の承諾書」を、と言われ、ご婦人の話を聞きながらご親戚を探したところ、6等親にあたる遠いご親戚がいらしゃることが判明。 そのご親戚(故人)の配偶者がお元気でいらっしゃったため、その方にサインをしていただいたのだそうです。 ≪遠くの親戚より近くの他人≫という言葉がありますけれど、 今回のケースは、まさにそれかもしれません。 つくづく考えさせられます。 こうした独居暮らしの高齢者の方が、実はすごく多いんですね。 友人たちと話していたら、皆、ご近所にそういう方が何人かいると声を揃え、 それもほとんど女性だというのです。 そして、これからそういう独居暮らしの高齢者がますます増えると。 未婚、あるいは離婚による一人暮らし。 子供もなく、あるいは自立した子供は遠くで生活し戻ってくる当てはない。 それで一人暮らしという60代、70代、80代の一人暮らしの方が多いのだそうです。 けれど、さらに憂えてしまうのは、 家なし子なしの人たちが多い世代が、もうじき「どっと」増えるという意見----- そうなったら、どうなるのかしら。 人生が長く感じられるのは、10代、せいぜい20代までかも。 そんなことを最近妙に感じさせられているわたくし。 「30代になるとあっという間----」 に、「高齢者と呼ばれる年代に一直線かもしれない」というのは、昨日美容院で聞いた30半ばを過ぎた女性の言葉でした。一年が早くて早くてしょうがないとのこと。 同感--- 将来のことなんてどうでもいいや、という方も、 いざとなったら勝手に死んでいくだけだから、カンケーないという方も、 将来のことを考えると不安で心配でならないという方も、 人生永らえることになったときに独居生活となったなら、 さて、それはどんなイメージなのでしょう。 ←クリックしてくださると嬉しいかも。 わたくしも、わたくしの独居暮らし、 ゆっくりイメージしてみます。 お寺生まれのお寺育ちのくせに、 葬送の自由の会に入会しているし、 生前葬を予定しているし、 借金もなく毎年遺言を書き換えているし、 面倒なことはなさそうだし、 葬儀にお金はかからないので遺族は面倒もないと思うけれど、 高齢になったときの独居暮らしのイメージ形成って、 ちょっと先延ばしにしてきているなァと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 1, 2007 06:09:20 PM
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