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カテゴリ:書籍と雑誌
【追記】No.1
izumatsu氏が「帰国」報道に疑問を発しているが、私も「帰国」という言葉にはひっかかった。 過去の報道によれば、北朝鮮では「日帝」に対してどのように戦ったという「抗日」の度合いがそのまま家柄の格として評価されるという。 「日本」は悪の基準点なのである。 突然自分がそのような悪魔の国に連れていかれ、そして悪魔の一族だと告げられたら、その事実を受け入れるのにかなり時間が必要なのではないだろうか。 それなのに、まずカメラの砲列に出迎えられ、テレビにはとまどう自分の姿が映っているのだ。 拉致家族の日常生活に関しても、過去の報道とは食い違う点がいろいろ出てきている。 「日本人村」が作られていて、その中で暮らしているのではなかっただろうか。 朝鮮人として育ち、その中でもおそらく特権階級の者として高等教育を受けている。 事実を確認しないままに、「帰国」した子供たちの姿は日本全国に晒されてしまった。 好奇の視線がさらにある日突然攻撃の視線に変わらないように願っている。 アマゾンに注文した本があっという間に届く。 読み始めると実に楽しくて、他のことができなくなってしまう。 有馬敲著 『時代を生きる 替歌・考』 人文書院刊 2003年9月20日発行 四六判並製 本文265p 定価:本体1900円+悪税 田川建三著 『キリスト教思想への招待』 勁草書房刊 2004年3月10日発行 四六判上製 本文327p 定価:本体3000円+悪税 『書物としての新約聖書』は滅法面白い本だった。 頷く人はすぐに『キリスト教思想への招待』を買うべし。 なんて、まだほとんど読んじゃいないんですがね。 これはぼちぼちと少しずつ楽しみに読みます。 田川さんは次に『事実としての新約聖書(新約聖書)』という大部の著作を控えているそうなので、これも実に楽しみです。 え、私? クリスチャンじゃありませんよ。 この本の後書きから引用しておきましょう。 > 人間の頭でこねくりあげた神なんぞ、所詮、 > 人間が作った下手くそな細工にすぎない。 > 人間が作れるものが神であるわけがない。 有馬さんの本は、替え歌の実例を数多く掲載している。 これが命ですな。 ただ、「第一章『のらくろの歌』考」や、「第二章 少国民の時代」あたりでは、こちらの知識が足りなくてちょっとわからないところがある。 つまり、前提となる元歌がよくわからないのである。 軍歌はタイトルがわからなくても曲は知っていたりするので、CDを付けてもらいたかったなあと思う。 冒頭の2章ばかりを読んだ後、いきなり私にとって目玉だった「第十三章 ♪アメリカちゃん…の時代」に飛んで読んでしまいました。 (「♪」はヤマガタの歌記号の代用) まず1969年「帰ってきたヨッパライ」のいくつかの替え歌。 へえ、こんなのあったんだ、知らなかったわ。 続けて「受験生ブルース」。 この曲自体がボブ・ディランの「炭坑町ブルース」を元歌とすると解説したうえで、「反戦ブルース」「機動隊ブルース」「女学生ブルース」「船乗りブルース」が紹介されている。 おお、すごいわ。 「山谷ブルース」の替え歌「古田ブルース」「体育会ブルース」。 日大闘争ですな。 そして、「アメリカちゃん」の歌詞が全文掲載されています。 あれ? 私が以前書き留めた歌詞の方が長いですな。 有馬さんの本では最後の一連がカットされています。 坂崎&なぎらの「フォーク・ジャンボリーズ」でも「ピーッ」が入った箇所なので、自粛したのでしょうか。 岡林さんのアドリブだったからカットしたのでしょうか。 えい、再掲しておきます。 ♪(からすの赤ちゃん) サトさん、サトさん、なぜ泣くの~ ジョ~ンソ~ンのおじちゃんの 核付きミサイル欲しいよ~ 原子力潜水艦も欲しいよ~ と、アンポ、アンポ~、泣くのね~ →2003年10月5日付日録:岡林信康「アメリカちゃん」(1969年) 続けて「がいこつの唄」「くそくらえ節」の歌詞掲載。 「がいこつの唄」の替え歌も紹介していいるが、有馬さんの言うとおり、元歌を越えていない。 替え歌はつましいサラリーマンの愚痴になってしまっている。 社会への痛烈な風刺が消えいるのである。 そこでこの本の白眉。 「ヘライデ」の歌詞掲載である。 レコードの『狂い咲き』には入っていたのに、CDで復刻盤を出す時に東芝EMIがビビって消してしまった曲だ。 有馬さんの表記では「『ヘイ・ライディー』(バハマ民謡)の曲による替歌『黄室シリーズ』」となっている。 ♪ 皇太子殿下がトイレにはいったら ♪ 美智子さんがいった あんた早く交代してんか(皇太子殿下) ♪ さいそくしたのにまだ出てこない ♪ あんた早く 出んか(殿下) 次の「第十四章 パロディ精神の系譜」では、いよいよ我が心の師匠高田渡大人の登場であります。 「自衛隊に入ろう」 有馬さんの解説によれば、「八番まであるこの歌は、一九六八年、京都での第三回フォーク・キャンプの中から生まれた。ピート・シーガーのうたっているマルビナ・レイノルズの曲に、自作の歌詞をはめ込んだものである。」 さらにその替え歌として「機動隊に入ろう」が一部掲載されています。 「自民党に入ろう」はタイトルのみ。 あんまりおもしろそうじゃないもんね。 歌詞を書き写していて思い出した。 その昔、零細出版社にいたころに団塊世代のおっちゃんたちから少し替え歌を教わりましたわ。 この本に出ている「学生時代」の替え歌とは少し歌詞が違うもの。 まだ全部読んでいないので載っているのかもしれないけど、「赤い靴」の替え歌も教わりました。 ♪ 赤い旗振ってた 男の子 ♪ おまわりさんに連れられて いっちゃった なんか寂しい歌が多かったですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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