悪い癖
先日、ある人から原発反対の署名をお願いされました。私はそれをお断りしました。すると相手は「何で???」と、署名することが当たり前のごとく問いかけてきましたので、こちらの意見を述べました。原発には大きなリスクを抱えているし課題も多いが、そのリスクを覚悟の上で便利な生活が成り立っている。今ここで原発を全部止めて得られるのは、原発によるリスク低減だけで、原発に代わる発電によってまた新たなリスクが産まれる。あるいは、社会全体が今の便利な生活を抑制し、不便さを分かち合う必要がある。さらに、太陽光などの代替エネルギー発電に変えればいい、というがそんな単純なものではない。エネルギー変換効率から考えて、原発が発電するエネルギー相当のものを代替発電で賄うのは現実的ではない。単純に国の予算をそれらの開発に充てたからといって、技術が簡単に進歩するようなものではない。5~10年の間に原発全廃、というのはあまりにも無責任で、世論迎合に過ぎないか?と言ってしまいました。むこうの言い分としては、原発安全神話は電力会社と国が作り上げたもので、それに国民がだまされたためにこういう問題が起こった、と言っていました。それは他人のせいにしすぎな...。言い分はわかりますが、結局は原発によって発電されたエネルギーをあなた方は使ってきたでしょ、それに原発には相当のリスクがあることは、いくら電力会社や国が安全だといったって、それなりに想定はできるはずでしょ(原爆の話を聞いているのですから)。といったような形で、話は平行線のまま終わりました。人が作ったものにはすべてリスクが存在する、これはモノづくりに携わる人間にとってはごく当たり前のことで、またモノづくりの本質的な部分でもあるのですが、こういった当たり前のことが世の中では理解されていない、と思うと、つい相手の意見をねじ伏せにいこうとしてしまう悪い癖が出てしまいます。仕事でもよくこういったことで上と衝突します。こういうところを上手くオブラートに包みつつ、話が持っていけるようにできないと、なかなか顧客獲得は難しいだろうな~、と反省するばかりです。こちらのサイトもよろしくお願いします。http://gijyutsu-keisan.com/