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カテゴリ:はじめに-「行け!行け!花園!」-
第一回はコチラから ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○● はじめに-「行け!行け!花園!」 (2)スパニッシュなハリウッド 12月はじめの日曜日、豪豪花園には元気な小学生の声がこだましていた。第4回Q市日本人婦人会主催のちびっ子スポーツ大会が開催されているからである。今日はQ市中から日本人小学校に通う小学校の低、中学年の子供たちの有志120人あまりと、現地やアメリカンスクールなどのインターナショナルスクールに通う日本人児童20数名とその家族が豪豪花園のサッカー場に集まって大盛況である。 豪豪花園は、現地語ではハオハオファーユアンと読む。5年前、Q市駐在の外国人をターゲットに作られたハイスタンダードな分譲賃貸物件で、18の棟からなりそのうち6つは主に日本人が居住している。漢字の雰囲気どおり豪華なつくりが売りで、白亜の10階建てが緑の中に並んでいる。 様式は、自称南カリフォリニア風。宣伝用のパンフレットによるとハリウッドスパニッシュスタイルだそうで、日本人からすれば、口にするのもなんだか何か気恥ずかしいばかりだが、Q市にここ10年次々と作られた外国人向けの物件の中では外観的には美しいといってよい。10階だての各棟はクリーム色の外壁に、オレンジがかった茶色のかわら屋根風のトップ。それぞれの棟のエントランスの枠や、郵便箱、各棟の前に配置された花壇の柵などがアンティーク風のこげ茶の木のつくりに統一されていたりして、同市内の他のデザイン性のないマンションや、豪華さを追い求めたあげくエントランスホールでブロンズの裸婦の隣でライオン像が寝そべってるような間違った方向に邁進中の物件とは一線を画している。 もともと、この豪豪花園はとくに日本人向けに開発された不動産ではなかった。新工業開発地帯の発展に伴う外国人人口を狙ってはいたものの、主なターゲットは新しく参入してきた欧米系の企業人口であった。日本人は、5年前の時点ですでに千人以上が、日本人向けとしては老舗の魅力広場をはじめ、市内のいくつかの高級マンションにUターン華僑や台湾人などと混じって居住していた。 しかし、5年前にあったC国内における反日運動以来、日本人駐在員のセキュリティーのしっかりした住宅への嗜好が高まったのと、新工業地帯の向こう側に、ゴルフ場とともに開発された別荘風の住宅地に欧米人口が流れたのが重なって、豪豪花園は工事の段階で、6棟を急遽日本人向けの物件とすることに変更さた。外観や内部の設計はそのまま、一部の内装は日本人向けに直され、付属の電化製品は日本ブランドのものが取り付けられ、よそから引き抜かれてきた日本人向けサポートスタッフなどがそろえらた。現在、日本人向け物件はほぼ満室。102家族が入居している。 この豪豪花園を、Q市の日本人たちにはよく、「ごうごうはなぞの」とか「ごうごうファーユアン」と呼ぶ。C国語でかかれたものを日本語読みするのは日本人同士の会話の中で一般的である。中山賓館を「なかやまひんかん」とか 花園飯店を「はなぞのはんてん」といった具合である。が、「ごうごうはなぞの」ではどうもすわりが悪く、花園の部分のみC国語読みで、四字熟語のようで口に出しやすい後者の折衷案が、狭い日本人世界の中ではポピュラーだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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益々過激になりつつありますね。
(2010年10月19日 19時38分40秒)
ね~、困っちまいますね。って実生活であんまり不便はないんですけど…先日行った日本領事館は警備がものものしかったです。
(2010年10月21日 13時40分59秒)
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