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カテゴリ:随筆
社の先輩が退社するといふので、その送別会が西麻布で行はれた。 仕事の都合で少し遅れて9時30分くらひに行くと、すでに面々は盛り上がつてゐた。 会自体は特筆すべきことはなく、いつもどほり、主に年上の方達がやいのやいのと盛り上がつて居つたのだが、その場に居ること自体は楽しかつた。
タクシーに乗り込み、家に帰ると、ふと煙草が欲しくなつたので、煙草を買つた。 整然と並んだ煙草を箱から取り出し、火を付けて勢ひよく吸ひ込むと、無性にやりきれなひ心持ちに成つた。 嬉しさうに吐き出された煙は、何ものかに縛られてゐる俺の五体を解き放つてくれる気がした。 今夜は別段寒くもなひので、暫くというもの家の周りをふらふらとし乍ら、マチャトに電話を掛けてみた。
夏の闇ほどには何ものも孕んでゐなひそれでは有つたが、それでもその方向へ駆け出したひ衝動をマチャトには確かと伝えた。 何をするに付け、落ち着かなひ一週間で有つた。塞がつた一週間で有つた。 何故だか知らぬが、故郷の景色が、無闇矢鱈と思ひ出されて成らなひ。
六輝=先勝 九星=九紫火星 中段十二直=満 二十八宿=奎 旧暦九月五日 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月27日 19時00分16秒
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