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偉大な牛

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2009年06月24日
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カテゴリ:読書日記
ブルセラ社会学で有名な宮台真司が初めて新書を出したので、読んでみた。

『日本の難点』
日本の難点.jpg

「日本の論点」のようなものをひとりで総覧したかったのだそうだ。

なるほどこれでもかっていうくらいの現代社会の問題がてんこもり。

しかし、アマゾンレビューを見ると、賛否両論激しい。
否のほうからいうと、
「難解すぎる」とか「自分によってる」とか。

けど、俺はそうは思わなかったな。
だって、宮台ってこれまでもそうでしょ。

由緒ある社会科学の用語なのか、自作の造語なのか、
よくわからない言葉を振りかざし、
説明は適当。
でもなんかわかったようなわかんないような。

いずれにしろ、デビュー作『権力の予期理論』(博士論文だとか)以外はさ、
総じてそうじゃない。
だから、今頃になってどうこういうつもりはなかった。
「あ、いつもの調子ね」みたいな。

宮台の口調ははぎれよくて、
それゆえに自分がエリートだと信じている学生なんかから信奉されるんだけど、
でもやっぱ「さすが」と思わざるをえないところがある。
どれをとっても十人並の議論に落ちてない(娘の話とかは辟易したが)。

繰り返し出てくるキーワード。
「底の抜けた社会」
「再帰性」


俺の理解としては、つまり、現代のように権威や伝統というものが崩れてしまった世界が、
「底の抜けた社会」である。
これは近代化の所産として避けがたい所であった。
ゆえに近代的自我というものが理想としてあったんだけど、それは夢想にすぎないってことも判明して、
個々人が直で世界と対面してしまうような事態に陥ってしまった。
それゆえの歪みというものが随所に出てしまった。

伝統や権威にすがろうとしても、すでに万人共通の伝統・権威が力を持たない。
たんなるノスタルジーに過ぎないのである。

人工的にコミットしていくことがよくないというのが保守の姿勢ではあるものの、
「するも選択、せざるも選択」といった「再帰性」の中では、結局、不作為という作為に帰着してしまう。

ならば、あえてコミットしようよ、と。
社会を再生させようよ、と。
そのための装置を埋め込む、それが社会科学なんだと。

理想的国民たる官僚が国家を創るという時代はすでに先が見えている。
目指すべきは「小さな国家」「大きな社会」なのである。
コミュニタリズムとリバータリズムは矛盾しない(?)のである。

これね、9・11以降でいろいろ思うところあったのの一つの回答だな、と思う。
これはこれで。

「生活世界」がシステムに切り替わっていく過程―――近代。
しかしシステムで充ちてきて、「汎システム」化してしまうと、
主体であったはずのわれわれがいつの間にか疎外されてしまっている。
システムにからみとられている。

ボードリヤール的な差異の反復の中にしか消費モデルを見出せない事態に陥ることが
ポストモダンであって、モダンとポストモダンの差は「気付き」に過ぎないのだと。

民主主義などはちっとも正しくない。
ポストモダンによる空白を市民合意で埋め合わせることは必ず危機に陥ると。
ここは激しく同意せざるを得ない。

今読んでいる『民主主義という錯覚』によると、
いかに民主主義という定義がゆがめられてきたかがわかる。
後日語る。

そうではなくて、共同体的自己決定をしないと権威・伝統の失墜にあらがえないのだという。

最後になって柳田国男が出てきたのは面白かった。
結局、自分の生活世界を再構築せざるをえないんだと。
そりゃそうだ。
どこでもないような無色透明な世界で生きられるわけがない。

その他官僚内閣制や、裁判員制度への切り口もけっこう鋭いものがあったと思う。
司法というものを淵源から切り出す手法はうならざるをえない。

全体にわたって柔らかい口調で語られていて、ややもすると「なんなの?」ってなってしまうが、
よくよく考えながら読むと、やっぱり大したものだと思った。
なんつーか、たまにイラっとするけどね。
自分語り多いし、この人。


六輝=先勝 九星=五黄土星 中段十二直=危 二十八宿=斗 旧暦閏五月三日





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最終更新日  2009年07月02日 23時08分00秒
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