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ホビットの家

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2012年06月14日
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テーマ:お勧めの本(7264)
カテゴリ:読書
小説の「ジェーン・エア」を最後まで読み終わりました。かなり分厚い本
で細かい字がびっしり、前半は正直退屈だなあと感じる部分もかなりあ
って少しずつ読んでいたのですが、後半はおもしろくていっきに読んで
しまいました。

ロチェスター氏はジェーンに純粋な愛情を注ぐかと期待したら、上流階級
の人を何家族も家に招き入れて何日も泊まらせ、狩りに行ったり芝居の
真似ごとをしたり、貴族の生活ってこんなものなのとちょっと腹が立ちました
おまけにその中のきれいな女性とイチャイチャし、結婚するようなそぶりまで
後ですべてジェーンに嫉妬させるためだとわかったのですが、なんて嫌味な
ヤツだー(笑)不細工で皮肉屋の貴族、うーん、やっぱり好きになれません。
でもこの人物をマイケル・ファスベンダーの顔で思い浮かべると、すごいはま
っていてよさそう、映画への期待が高まります。

さんざん意地悪してやっと結婚までこぎつけたもののロチェスター氏には
暗い秘密が・・・彼は気が狂った妻を館の一室に閉じ込めていて、結婚式の
当日にそれをバラされてしまいます。気が狂った妻バーサはジェマイカ生ま
れ、ロチェスター氏には兄がいて兄だけに財産を渡したいと考えた父が弟の
エドワードは金持ちの娘と結婚させようとして勝手に決めた結婚でした。生ま
れ育った環境も考え方もまったく違う2人の結婚、初めは美しいバーサに若い
エドワードが心ときめかせてもすぐに飽き、ヒステリックな妻にうんざりし、つい
には気が狂ってしまった妻を誰にも知られないように父と兄が死んだ後引き継
いだ館に閉じ込め世話係をつけて自分はフランス、イタリア、ドイツなど各地を
旅しては愛人を作ります。

気が狂った妻バーサ、昔読んだ時はただ恐ろしく不気味だったのですが、不幸
な結婚で妻が気が狂うという話は小説に多い(史実でもスペインの女王ファナ
とかいる)バーサだって母親が精神病院に入れられているなど遺伝的に気が
狂う要因はあっても、同じ国で似たような相手と結婚すればそれなりの生活が
できたかもしれない、貴族と結婚して最初は家族に喜ばれても夫に愛される
ことはなくて気が狂い、館に閉じ込められて化け物のように恐れられるなんて
あまりにも悲惨な人生だと気の毒になりました。

ロチェスター氏の結婚の話を聞いて飛び出し、馬車に荷物を忘れて無一文で
乞食のようになってさまようジェーンを助けたのが後にジェーンの従弟とわかる
ジョンとその妹達というのは話ができすぎていますが(笑)とにかくジョンに助け
られてジェーンは彼の妹達と仲良くし、村の学校の先生をするという仕事に恵ま
れます。ジョンはロチェスターと違ってギリシャ彫刻のような美男子、映画への
期待がここでまた高まりました(笑)まったく違うタイプの男性に愛される美人で
はなく知的で気が強いヒロイン、この本が何度も映画化された理由がよくわかり
ました。ジョンは昔読んだ時はほとんど印象に残っていなかったのですが、今回
は強烈でした。

ジェーンの父と同じようにジョンも牧師で、イギリスでヘンリー8世がカトリックと
決別したから神父ではなく牧師と訳すのでしょう。カルヴァンの教えを説教で情熱
的に説く牧師でした。カルヴァンと聞くと新旧両方から異端とされたミゲル・セルウェ
ストを火刑にしたということが思い出されます。そのカルヴァンの厳格さを受け継い
だような熱心さで彼は宣教師としてインドへ行く決意をし、ジェーンに妻となって
一緒に来てくれるように頼みます。ジョンがジェーンに妻となって欲しいと願うのは
彼女を愛しているからではなく、彼女が宣教師の妻としてふさわしい才能や性質を
持っているから、それを堂々と本人の前で言い、さらにそれは神の意志だと言いき
るジョン、宗教の信念を持っている人はすごいです。いくらハンサムで命の恩人で
血のつながりがあって親しみを感じる従弟であってもこんな人と結婚しては大変、
ジェーンもそのことがわかって断りますが、ジョンはしつこく神の意志だと(笑)この
あたりの会話がすごく面白かったです。宣教師というのは戦士でもあり開拓者でも
ありこれこそ神が与えた使命と信じて疑わないジョンがすごく鮮やかで印象的で
した。

ジョンに求婚されて悩む中ジェーンは自分を呼ぶ声を聞いてロチェスター氏の館に
行ってみたらそこは火事で廃墟になってと最後の方の展開はよく覚えていました。
なんだかんだ言ってもヒロインジェーンが最後に選ぶのは火事で何もかも失って
失明して片腕も失ったロチェスター氏なのですから。火事の原因は気が狂った妻
バーサの放火、彼女は前にも閉じ込められた部屋から抜け出して夫の部屋に火
をつけたことがあるし、その火事の時には家庭教師の部屋に火をつけたと宿屋の
主人が言っています。気が狂ったといってもまるっきり何もかもわからなくなるの
ではなく嫉妬や憎しみの感情は残っている、その感情でわが身を滅ぼしてしまう
妻が哀れです。ロチェスター氏が最後妻を助けようとしたことがせめてもの救いか
なと。狂ったバーサの壮絶な最期は指輪物語の執政デネソールの最後と重なる
ものがありました。

映画になったというのがきっかけで昔読んだ古典の名作をもう一度読み返したわけ
ですが、前とは違うところが強く印象に残ったりしました。ジョンなんて特に名前も
忘れていたのですが今回は印象強かった!やっぱり古典というのは人の心に訴え
るものを持っているのだなとあらためて思いました。





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Last updated  2012年06月14日 12時02分58秒
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