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2013年10月09日
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カテゴリ:芸術

10月8日から上野の東京都美術館で行われているターナー展を
初日に行き、テート美術館の方の記念講演も聞いてきました。

ターナーに関しては去年「巨匠たちの英国水彩画展」を見て以来
大ファンになっていたので、初日がちょうど仕事も休みというこ
ともあってさっそく見に行ったわけです。去年水彩画展を見た時
に正直言ってターナーの晩年の水彩画を見て「私にも描けそう」
なんて思ってしまいました。その後もう1度若い頃の作品を見て
その細かさにこりゃ無理だと諦めたわけですが(笑)今まで美術展
に行って感動したことはあっても自分も描きたい!と強く思った
のはその水彩画展が初めてだったので、ターナーは私にとって好きな
画家以上の特別な存在、人生を変えた人になったわけです。そして
いつかはターナーの絵を見るためだけでもロンドンに行きたいと恋
焦がれていたので、東京で見られるとあって前から楽しみにしてい
ました。

いつものことながら私のプログはまったく個人的な感想なので学術的
な文章や批評は期待しないでください。さらに今回は前からの知識と
展覧会で書いてあったこと、講演で聞いた内容がごちゃまぜになって
います。講演はちょうどランチを食べた後のお昼寝タイムに英語のス
ピーチ(通訳はつくが)というのはとっても眠くなるのですが、頑張
って聞いていました。ターナーの評価について、彼は生きていた時代
から様々な批評を呼び、そして死後も印象派や現代美術の人が突然
先駆者として讃えるなど、とにかく話題が絶えない人のようでした。

美術展はターナーの初期の作品から順番に並べられていて、とてもわ
かりやすかったです。初期の10代から20代前半の絵でもとにかく
うまい、最初にこっちを見ていたら絶対自分にも描けそうなんて思わな
かったでしょう(笑)彼は理髪店を経営していたお父さんとはとても仲
がよかったのですが、お母さんが神経症になっていてターナーの妹にな
る女の子が幼くして亡くなった後はいっそうその傾向が強くなり、感情
のままに怒られることもよくあったそうです。大変な状況の中で、お父
さんは息子が上手な絵を描くことに希望を見出し、理髪店に飾ってお客
さんに自慢したのかなと想像しました。

初期の絵で印象深かったのは「バターミア湖、クロマックウォーターの
一部、カンバーランド、にわか雨」(ターナーの作品はとにかくタイトル
が長くてパンフレットを見ないと書けない)です。23歳の時の作品で
ロイヤル・アカデミーに出展しています。全体的に暗い色調ながら湖の
様子や遠くの山が丁寧に描かれ、空や雲の様子、弓のような虹はさすが
です。現実の風景なのだけど物語やファンタジーの一場面にも思える、
風景画でありながら激しく心を揺さぶられました。

紹介したい絵はたくさんあるのですが、今回一番衝撃を受けたのは1828
年ローマで展示、1837年加筆とガイドブックに書いてあった「レグルス」
です。一見まばゆい光に包まれた明るく美しい絵なのですが、そばにある
説明を読んでショックをうけました。ローマの将軍レグルスはカルタゴで
捕虜になり、両国の和平をとりもつように指示されたもののローマの元老院
に提案を拒否するように助言したためカルタゴで拷問され殺された、その
時レグルスは暗い地下牢に閉じ込められ瞼を切り取られ、明るいところに連れ
だされて瞬きができないために失明したというのです。暗い地下牢から出され
て失明する直前に見たまばゆい光、光というものが暗闇に突き落とす恐ろしい
凶器となっているその話もショックだったし、その瞬間を絵で表現したター
ナーにも驚きました。説明を読んでもう一度絵を見ると、確かに明るいだけで
はない恐ろしい威力を持った光なのです。この衝撃は本で見た時は感じられ
なかったので、やっぱり本物はすごい、と心の底から思いました。この絵を
ターナーはずっと後になって加筆しているので、やっぱり画家本人もこだわ
った1枚だったのでしょう。

他にも印象的な絵はたくさんあったのですが、長くなりそうなので今回はここ
で終わりにします。去年水彩画展でターナーの絵を見た時は「自分も描きたい!」
と思ったのですが、今回は「誰かに伝えたい!」という気持ちを強く感じました。
美術展で1回自分が見ただけで満足せず、他の人と一緒に見てその感想を聞きたい
とこんなに強く感じたのも初めてなので、やっぱりターナーは私にとって特別な
存在です。



「レグルス」の絵の複製画はなかったので、似た雰囲気のこの絵を
紹介しています。





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Last updated  2013年10月09日 11時18分08秒
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