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この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち

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Oct 31, 2005
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カテゴリ:映画
復員後第一作「血槍富士」('55)の、日本映画としては特異な粘液質のバタ臭さを持つ内田吐夢を、新鮮な驚きをもって迎えたものだが、その復員後第二作である「逆襲獄門砦」('56)をようやくキャッチした。――やはり内田吐夢の映画は土と泥と汗の臭いがする。
前作に続いて片岡千恵蔵&植木基晴親子共演の、悪政を強いる悪代官への一揆ものと言えるが、悪代官に扮する月形龍之介が憎々しき快演で、耐え難きをひたすら耐える猟師父子と、百姓一同の最後の爆発が大団円となるやはり粘着質の群衆シーンが圧巻となる。
千恵蔵を軸として見てしまうと、「血槍富士」ほどの大立ち回りもなく、悪代官を取り押さえるところもないが、この群衆が押し寄せて威張り散らしていた悪代官一味がてんでに逃げ惑うその姿こそが内田吐夢映画の骨子だろう。後に「大菩薩峠」三部作('57~'59「宮本武蔵」五部作('61~'65)という大長編を完成させ、なんといっても「飢餓海峡」('65)にその太き命脈を完成させた中にあるものは、一寸の虫にも五分の魂、とでもいった個人の生命性への信頼と共感であった。
「逆襲獄門砦」にもそれはゆるぎない。月形龍之介が磐石の壁となればなるだけ、映画の逆流する命がブスブスと噴火する様が覗けるわけである。
これで戦後の映画でまだぜひ見たい見逃している内田吐夢映画は「森と湖のまつり」('58)ということになるが、果たして機会は経めぐるだろうか。

内田吐夢本としては「宮本武蔵」から脚本に参加して実作者として身近にその動静を共にした「飢餓海峡」鈴木尚之氏の「私説内田吐夢伝」が読み応えのベストだろう。
「デジタル・シネマ・ダイアリー」





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Last updated  Oct 31, 2005 07:40:44 AM
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