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テーマ:お勧めの本(7219)
カテゴリ:今日読み終えた本
題名:「イエスタデイ・ワンス・モア」 著者:小林信彦 発行:新潮文庫 頁数:267 読みやすさ:4/5 おすすめ度:3/5 リサイクルブックの店で背表紙を眺めていると、ちょっとタイトル が気になったので買ってしまいました。なんせ100円やし! 「ん?カーペンターズ?」なんてふと思いましたが、内容はいわ ゆる”タイムトラベラーもの”で、過去に迷い込んで自分やその周 辺の歴史を変えようと試みる物語だったので、なるほど、という感 じです。 過去に迷い込んだ、とはいうものの、主人公の青年はすっかり その年代の空気になじんでしまって、自分の居場所をつくってしま うところが小説らしいおもしろさだと思いました。また、主人公が 本来住んでいる「現代」が、1989年という、いわゆるバブル期で、 社会全体が浮かれつつも、ややすさんだ時代、という背景もあり、 迷い込んだ1959年という活力に満ちた高度成長期との対比が、 現代社会を皮肉る側面もあったように思います。 え~つまり、この本がはじめに発表されたのは1989年なんで すが、今から18年も前なので、もうその時代がすでに過去になっ てしまっています。したがって、物語の上では、あくまでも過去と 現在の2つの時代が描かれてありますが、今読むと3つの時代を 意識してしまうことになります。 古本なのでそういうことになりますが、それはまたそれで味わい 深いものになりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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