今年の中では今日が一番かも知れない・・・大阪クラシック第6日
演奏のクオリティという点からすれば、今日の演奏が一番の出来だったんじゃないかなあと思います。大阪 ザ・シンフォニーホール大阪クラシック第85公演大植英次と大フィル合奏団Picc, Fl:井上登紀Tub:川浪浩一Ob:浅川和宏Solo Vn:長原幸太Picc Tp:篠崎孝Tutti Vn:力武千幸、鈴木玲子、今城朋子、佐久間聡一、高木美恵子、横山恵理、浅井ゆきこVa:田陽子、川元靖子、岩井英樹Vc:石田聖子、松隈千代恵、織田啓嗣Cb:松村洋介、三好哲郎Cem:大植英次どれもすばらしかったけれど、特にソロではFlの井上さんと、トランペットの篠崎さん。井上さん、恥ずかしながらここまでの方とは存じ上げませんでした。どこまでもどこまでも伸びていく、天上の音というにふさわしい音。この音が、シンフォニーホールの空間に溶けていくときの時間を至福と言わずして何と表現すればいいのやら。篠崎さんは、この難曲をよくぞここまでというところまで吹きこなして見事。ライブでここまでの演奏、なかなか聴けませぬ。王宮の黄金の輝きを思わせる、これぞバロックという音。曲としては、2曲目にとどめをさす。涼やかでモダンなその佇まいから、イギリス・北欧系の作品と思っていたところ、果たして1925年生まれのノルウェーの作曲家の手になるものとのこと。2楽章の旋律が、何ともいえず「泣かせる」し、1楽章と3楽章の「ポップ」な楽しさもまた格別。初めて聴いた曲だが、掘り出し物の佳曲。ぐすたふ君、この曲、「ほしい」です。大フィル事務局、次のテクスチュアズ、この曲どうですか?絶対買います(きっぱり)あふれんばかりに入った観客の止まない拍手に、ブランデンブルクの終楽章をもう一度やることに。最初の難所をペットが吹き終わったところで、長原君、「タイム!タイム!」なにが起こったかと思いきや「みなさんの熱気で、弦が緩んでしまいました」!!!!ごめんね、篠原君、と一声かけて、もう一度最初からやりなおし。最初の難所をもう一度切りぬけた篠原さんが、「これでどや!」と吹き切った様子に会場から笑い声。それを受ける長原君の苦笑い・・・音楽の愉しみ、アンサンブルの楽しみ、そしてそれを共有する聴衆の愉悦、会場に満ちる親愛の情・・・・ああ、そうだよね、大植さんが言うまでもなく、「皆さんと一緒になって」僕たちはここで音楽を奏でている。これこそが、「祝祭」、フェスティバル。この時間を、空気を感じたくて、僕はここに身を置いている。大植さんありがとう。奏者のみなさん、ありがとう。・・・そして、ここに集った大阪の聴衆のみなさんに、ありがとう。