愛・地球博が開幕し、35年前の大阪万博も再び脚光を浴びているようです。
大阪万博といえば、岡本太郎さんの「太陽の塔」。
当時は、体制におもねることを嫌う方々が中心となり、
激しい「反博(ハンパク)」の嵐が吹き荒れていたそうです。
「ハンガリー発行大阪万博2種連刷」
岡本太郎さんは、文筆家、哲学者としての顔も持っておられ、
「切符を買って電車に乗らなければならないのが許せない。」
こんな言葉を残すほど、人を縛る規制をお嫌いになった方。
そんな方のところへ、やってきた万博テーマ・プロデューサーのお話。
かなりの反発を受けたそうです。
ところが岡本さん、まったく動じない。
「岡本太郎作 ディスプレイ用鯉のぼり」
大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」。
「一番のハンパクは『太陽の塔』だ。」
なにしろ、つい先日鬼籍に入られた丹下健三さんが設計しておられた
万博シンボルゾーンの高さ30メートルの大屋根に、後から入った岡本さんが
70メートルの太陽の塔を建てるために大穴を開けさせたということ。
この破天荒さ。
「美の呪術 岡本太郎」
「オレは進歩と調和なんて大嫌いだ。人類が進歩なんてしているか。
原始のものの方がずっといい。」
「ポンポンとぶつかり合わなければならない。その結果、成り立つものが調和だ。」
建築家たちが怒って押しかけても、岡本さんの熱弁に引き込まれて
皆、だんだんと嬉しそうな顔になり、天井を開けることに同意してしまったのだとか。
「今日の芸術 岡本太郎」
「芸術ってのは判断を越えて『なんだ、これは!』というものだけが本物なんだ。」
その言葉どおり、いまもその地に残り、人々の心に蘇る「本物」。
愛・地球博にも太陽の塔をはるかに越える「本物」が生まれ出ずることを祈ります。
「芸術は爆発だ! 岡本太郎痛快語録 岡本敏子」 より
岡本敏子さん・献身に生きた人
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