☆嶽本野ばら 「エミリー・コルセット・レディメイド」
リンクさまにご紹介いただきました。
美に対して、己の欲するところに対して、一身を賭けるということ。
その先に何があるかはわからなくとも、
たとえ待っているものが空虚に見えるものだとしても、
捧げ尽くすことそのものが目的であり崇高。
ブランドや美術品や肉体をこれでもかと並べ立ててあっても
その内包する精神性が浮かび上がる、そんな短編集です。
【エミリー】
☆三島由紀夫 「音楽」
豊穣の海・四部作を読み終わったあと、映画・「
春の雪」の主題歌を作った
宇多田ヒカルさんが読んでいらっしゃるとのことで、手にとりました。
日常の音は聴こえても、音楽だけが聴こえなくなるという女性と
彼女をカウンセリングする精神分析医との物語。
フロイト、ロジャース、エーリッヒ・フロムなどの本を下敷きに
音楽を入口として、女性の内面にどんどんと入り込んでゆく迷宮は
どこか探偵小説のようでもあり、精神分析のガイドブックのようでもあり。
そういえば、豊穣の海もサンスクリット哲学にこだわる本多という
キャラクターが出てきます。
「
新聞の三面記事の中からでも自由に素材を拾い出してきて、
これを一篇の巧緻なロマネスクに仕立て上げる達者な三島氏。」などと
澁澤龍彦氏の解説があるのも一興。
【音楽改版】
☆平野啓一郎 「日蝕」
映画・「
みやび」を拝見してから読了。
錬金術師や魔女裁判の暗黒の中世を舞台にした物語。
二十歳にしてこれだけの語彙を自在に操ったこの作品が、
三島由紀夫氏の再来と言われるのも道理なのでしょうし、
火刑さえも淡々と描写するさまは、
澁澤龍彦氏も彷彿とさせるものがあります。
平野さんとの対談で
美輪明宏さんが澁澤氏・三島氏について言及されていたことが
さらに興味深く蘇えりました。
「澁澤さんの面白いところはね。世の中のあらゆるものが
全部同じ線にならんでいるのよ。
『それを説明したら』と言ったら『そういう説明はするものじゃありませんよ。
理屈や注釈や弁解が要るようなものは本物の芸術じゃない。』
『三島さんと同じね』って申し上げたんですけれども。あの人も
耽美派でしょう。
男も女も古代も現代も中世期も全部同じところにある。
同じ空間で同じ次元で同じ価値で。」
(「黒蜥蜴(2003年版)」パンフレットより)
【日蝕】
「三島由紀夫・みやび 鑑賞」
☆「川端康成 三島由紀夫 往復書簡集」
デビュー前からの師弟の様子が明らかに。
☆藤原正彦「国家の品格」
国の言葉を大切に
☆オスカー・ワイルド 「サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇・まじめが肝心」(新潮文庫)
幸福の王子の作者の、もっとも輝いていた時代の戯曲三篇
サロメ改版(岩波文庫)
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